2014 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
26410217
|
|---|
| Research Institution | Iwate University |
|---|
Principal Investigator |
大石 好行 岩手大学, 工学部, 教授 (90194076)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | トリアジンジクロリド / 芳香族ジアミン / ポリグアナミン / 高屈折率 / 透明性 / 耐熱性 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分子屈折が大きく、耐熱性、低炭素含量で環境負荷の小さなメラミン構造の水素結合により形成される分子凝集構造（高次構造）に着眼し、屈折率が１.８以上の超高屈折率メラミン系ポリマーを開発することが目的である。
平成26年度は、メラミン系主鎖型ポリマーを合成して、化学構造と屈折率などの諸特性の関係を明らかにした。
トリアジンジクロリドはカルボン酸クロリドと同様の高反応性を有するため、芳香族ジアミンとの重縮合により簡便に高分子量の芳香族ポリグアナミンを合成することができる。芳香族ポリグアナミンは、トリアジンジクロリドと芳香族ジアミンの溶液重縮合法により簡便に合成され、対数粘度が0.5～0.7 dL/gで数平均分子量が2～4万の高分子量体が容易に得られた。ポリグアナミンはNMPやDMIに高い溶解性を示し、NMP溶液からキャスト法によりフィルム（30～40μm）を作製することができた。このフィルムの5%重量減少温度は空気中および窒素中で420～430 ℃、ガラス転移温度は211～246 ℃および熱膨張係数は30～60 ppm/℃であった。このフィルムのカットオフ波長は330～380 nmであり無色から淡黄色で透明性に優れていた。プリズムカプラー法により、このフィルムの屈折率を測定したところ、1.73～1.81の非常に高い屈折率を有していたが、アッベ数は10～15と低い値であった。また、フィルムの引張り特性では，引張り強度/破断伸び/引張り弾性率が、それぞれ122～137 MPa/4%/3.5～4.7 GPaであり、比較的強靭な特性を示した。以上のことから、芳香族ポリグアナミンではメラミン構造の水素結合により凝集構造が形成されており、透明性に優れ高いガラス転移温度と高い屈折率を有しているので、高屈折率の光学材料として有望である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は1.8以上の超高屈折率、高耐候性、高耐熱性、高溶解性および易加工性を併せ持つ超高屈折率光学材料を開発することである。
平成26年度は、メラミン系主鎖型ポリマーとしてポリグアナミンを合成し、その諸特性を明らかにした。その結果、耐候性および溶解性に劣ってはいるが、高透明性、高耐熱性および高屈折率を有するポリグアナミンを合成することができた。
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、メラミン系主鎖型ポリマーとしてポリグアナミンを合成し、その諸特性を検討した結果、高透明性、高耐熱性および高屈折率を達成することができたが、耐候性および溶解性に劣っていることが課題として残った。そこで、今後は溶解性の向上を目指して、メラミン系多分岐型ポリマーを合成し、ポリマーの化学構造と屈折率の関係を明らかにする。
|
Research Products
(1 results)
