2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of multicomponent nanoporous polymers involving polymer interfaces and their separation functions
Project/Area Number |
26410230
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
佐光 貞樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主任研究員 (80432350)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 相分離 / メソ多孔体 / 結晶化 / ナノ結晶 / ハイブリッド材料 / ナノ粒子 / 分離機能材料 / 高分子界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の構想は、申請者が開発した『急速凍結ナノ結晶化法』を基盤技術とした展開研究を行なうことである。この手法は、汎用高分子の溶液を急冷して低温で溶媒分子を結晶化させるだけでメソ細孔を試料全体に形成できる。使用する溶媒種や結晶化温度を最適化することで、最大320 m2/gの比表面積、最大1.73 cm3/gの細孔容量、最小9 nmの細孔を実現している。この手法を複合組成の高分子系に応用することで、組成分布を制御したメソ多孔体を作製することが本研究の主題である。さらに、相溶性や結晶化などの多様な因子を組み合わせた階層的相分離プロセスを開発し、相分離の普遍性と多様性に関する基礎科学を深化させることを目指している。 前年度までにナノ粒子を添加した高分子溶液にナノ結晶化法を適用し、有機・無機ハイブリッドのメソ多孔体を作製してきた。高速撹拌分散装置の強力なせん断力で高分子溶液中にナノ粒子を均一に分散させた。メソ多孔体の細孔構造を電子顕微鏡で観察し、細孔径をガス吸着法で定量的に評価した。その結果、ナノファイバー状の高分子ネットワークにナノ粒子が担持されたメソ多孔性ハイブリッドが形成できることを明らかにした。 本年度は、高分子メソ多孔体の課題の一つである耐熱性の向上に着目した。汎用高分子のメソ多孔体を100℃以上の高温に加熱するとメソ細孔が消失する。非晶性高分子はガラス転移温度以上の高温で流動性が現れメソ細孔を維持できなくなる。そこで、ガラス転移温度の高いエンジニアリングプラスチックを用いることでメソ細孔の耐熱性を高めることができると考えた。ガラス転移温度が225℃のポリエーテルスルホンでメソ多孔体を作製し、ガス吸着法でメソ細孔の安定性を評価した。その結果、メソ多孔体は150℃の高温でも600時間以上メソ細孔を保持することが明らかになり、耐熱性向上の設計指針を示すことができた。
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Research Products
(4 results)