2015 Fiscal Year Research-status Report
界面の光励起プロセスを利用した環境浄化型可視光光触媒の開発
Project/Area Number |
26410234
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮内 雅浩 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (60443230)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸化チタン / 光触媒 / 助触媒 / 環境浄化 / クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
アモルファス状のTi(IV)酸化物からなるクラスターをTiO2粒子の表面に担持することにより、紫外線照射下における有機物分解活性が大幅に向上することを確認した。Ti(IV)クラスター担持条件として、出発原料となるTiCl4の濃度と光触媒活性の相関を調べた結果、濃度が0.25wt%の際、最大の性能を示した。担持されたクラスターのチタンイオンの価数が4価であることをXPSで明らかにし、最適な原料濃度で作製したときのクラスターサイズは5nm以下であることがわかった。クラスター担持に用いる水溶液は酸性であることが好ましく、温度は80℃~90℃に設定することで高活性化につながることも明らかになった。粉末の光吸収特性を調べたところ、クラスターの有無でほとんど変化が無いことから、クラスター自身の光吸収は光触媒反応に大きく関与していないことが示唆された。また、TiO2以外にも、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などの光触媒にTi(IV)クラスターを担持することで、紫外線照射下でのこれらの光触媒活性が向上することも見い出した。H27年度の研究でクラスターの担持条件や適用できる光触媒の範囲が明らかになった。 H28年度以降は、分光学的手法やケルビンプローブを用い、クラスターの電子構造を解明していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Ti(IV)クラスター担持による活性の向上が、当初計画のTiO2以外の光触媒粉末にも適用できることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
クラスターの作用機構を明らかにするため、H28年度はESRによる励起キャリアの解析、ケルビンプローブ顕微鏡による電子構造の解析をおこなう。これらの知見を元に、更なる活性向上や可視光応答性の付与、そして、環境浄化用光触媒としての応用に必要な特性を調べていく。
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