2017 Fiscal Year Annual Research Report
界面の光励起プロセスを利用した環境浄化型可視光光触媒の開発
Project/Area Number |
26410234
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮内 雅浩 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (60443230)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 光触媒 / 可視光 / 環境浄化 / 界面電荷移動 / 酸化銅 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度までの成果としてとして得られた正孔補足材であるTi(IV)のクラスターに加え、電子補足材であるCu(II)やFe(III)クラスターをTiO2粒子表面に共担持した。この結果、界面電荷移動遷移由来の可視光の吸収を確認し、可視光の照射でアセトアルデヒドを二酸化炭素まで完全に酸化分解できることを見出した。予定を上回る進捗で成果が得られたため、H30年度に予定していた薄膜化をH29年度に前倒しで検討した(研究資金も前倒し申請し承認を頂いた)。この結果、ガラス基板の上にCu(II)クラスター、次いでTiO2層をコートし、更に再表面にTi(IV)クラスターを担持した積層薄膜において、白色LEDの照射で超親水化反応を誘起することができた。 更に、H29年度は界面電荷移動遷移の反応機構解明のため、薄膜モデルを使って詳細に調べた。具体的には単結晶TiO2基板の表面にパルスレーザー堆積法とフォトリソグラフィー法でパターン化した極薄のCuO膜を製膜し、その反応サイトをAg粒子の光還元をプローブとして可視化した。その結果、2.7 eVの青色の光を吸収すること、この吸収がルチル(110)面を使った場合に顕著であること、そして青色光照射下での還元反応サイトが、CuO膜のエッジ部周辺の数ナノメートルの領域であることを確認した。また、可視化実験では酸素の質量数18の水の同位体を用いており、GC-MS分析で酸素生成も確認した。これら一連の結果は、可視光の吸収と光触媒反応が界面で起こっていることを示しており、今後の高活性光触媒を開発する上で重要な知見を示唆している。すなわち、(110)を多く露出するTiO2を用い、その表面に数ナノメートルのCuOクラスターを担持することで高活性光触媒を製造することができることをつきとめた。
|