2016 Fiscal Year Research-status Report
交互積層新奇ナノハイブリッド型光触媒による可視光応答電荷分離
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26410235
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| Research Institution | Shinshu University |
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Principal Investigator |
望月 大 信州大学, 先鋭領域融合研究群環境・エネルギー材料科学研究所, 准教授(特定雇用) (90434315)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 層状金属酸化物 / ナノシート / 光触媒 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、異種の金属酸化物層をナノメートルスケールで交互に積層した新奇ナノハイブリッド型光触媒の創出を目的としている。具体的には、クリックケミストリーの手法を層状金属酸化物に適用し、層間距離やその層間へ色素分子を導入することにより、可視光応答型の光誘起電荷分離を制御する。この電荷分離制御を水の完全分解などの光触媒へ応用する。以上の検討は、太陽光を利用した再生可能なエネルギー製造への礎となるのに加え、新奇ナノ材料創製に向けた新機軸を付与する可能性がある。
交互積層ナノ構造は、チオール修飾されたニオブ酸塩ナノシートまたはタンタル酸塩ナノシートおよびアルケン修飾されたタングステン酸塩ナノシートとのクリック反応によって合成された。クリック反応によって構築された交互積層ナノ構造の電子構造は、炭素数を変えることによって制御され、交互に積層されたナノ構造の積み重ね距離を変えることによって変更できることを発見した。一方で、交互積層ナノ構造を合成した結果、当初の予想と反し、積層体のバンドギャップ準位が層間に依存していることが明らかとなった。
さらにチオール修飾したタンタル酸ナノシートとアルケン修飾したタングステン酸ナノシートのチオール - エンクリック反応により作製された交互積層構造における層間距離に依存して、タンタル酸ナノシートの伝導帯からタングステン酸ナノシートの伝導帯への電子移動を実証した。層間距離は、メチレン鎖数を変化させることによって、0.93～1.64nmに正確に制御された。電子移動の速度定数の対数は距離と共に直線的に減少することを見出した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた光触媒水素発生(現在論文投稿中)に加え、新規交互積層体の合成に成功した。新奇交互積層体の成果として、酸化タンタルと酸化タングステンの複合体化による光誘起電子移動を検討するとともに、層間距離の違いによる光吸収の影響を調査し、投稿済みである。以上の点から、当初計画以上に進展していると判断している。
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| Strategy for Future Research Activity |
H29年度は、ヘテロ積層半導体を二酸化炭素還元触媒へ応用する。二酸化炭素を効率よく有用な化合物に変換するために、二酸化炭素および還元エネルギーが迅速に供給できる反応場と精緻に設計された革新ナノ材料を提供する。
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| Causes of Carryover |
異種金属酸化物へテロ積層体を合成した結果、当初の予想に反し、ヘテロ積層体のバンドギャップ準位が層間の距離に依存していることが明らかとなった。研究遂行上、バンドギャップ準位と層間距離の関連を調べる光誘起電荷移動の実験を追加で実施する必要が生じたため、必要額を繰り越した。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用額は追加実験で使用する消耗品(ガラス器具・試薬)などに使用し、実験を遂行する。
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