2015 Fiscal Year Research-status Report
ピエゾ素子-エピタキシャル薄膜ハイブリッド電極を用いた全固体電池活性化過程の研究
Project/Area Number |
26410239
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
園山 範之 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50272696)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 誠之 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20223331)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | リチウムイオン電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゾルゲル法により正極薄膜エピタキシャル薄膜作製を試みた。X線解析の結果、ゾル-ゲル法を用いてAl2O3(0001)基板, SrTiO3(111)基板, MgO(111)基板上にLiMn2O4エピタキシャル薄膜を合成できることを確認した。これらの基板上ではLiMn2O4は111配向でエピタキシャル成長した(SrTiO3(111)基板上では同時に113配向もとる)。 電気化学特性評価の結果、LiMn2O4エピタキシャル薄膜は基板の種類に依って特性が変化することが明らかとなった。ミスフィット率を用いてそれぞれの基板-薄膜マッチングと特性との相関を調べたところ、ミスマッチが大きい組み合わせほど良好な特性を示す傾向が見られた。 これらの結果から、基板との不整合性が大きい系のように、薄膜にストレスが付与された状態の方がより良い特性を示すと考えられる。そこで圧電体基板であるLiNbO3(011 ̅0)上への製膜を行い、電圧を印加することで基板を伸縮させ、人工的に薄膜にストレスを与えた際の活性化エネルギーの変化を調査した。その結果、基板に10 V, -10 Vの電圧を印加した場合の活性化エネルギーは電圧無印加時に比べて減少した。これは薄膜に加わるストレスを制御することで、Li+インターカレーション速度が変化することを示唆している。 また剥離したマイカ基板上への製膜を試みたところ、LiCoO2, LiMn2O4のそれぞれ003, 111配向エピタキシャル薄膜が得られた。LiMn2O4薄膜は活性な電気化学特性を示したため、高い汎用性をもつゾル-ゲル法を用いることで層状基板上へのエピタキシャル薄膜合成の可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
圧電体基板上へのエピタキシャル薄膜作製が難しいためやや遅れ気味であるが、一定の成果は得られつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は圧電体基板上へのエピタキシャル薄膜作製を行い、基板膨張・収縮時の電気化学特性を評価する。
|
Causes of Carryover |
本年度は圧電体への製膜を幅広く行わなかったため、残が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度に幅広い種類の基板を用いて製作する。その基板購入費に充てる。
|