2014 Fiscal Year Research-status Report
植物組織の選択溶出による細孔制御と難燃効果を利用した電気化学キャパシタ電極の開発
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26410253
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
坪田 敏樹 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10304750)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 活性炭 / 電気二重層キャパシタ / 竹 / 加圧熱水処理 / キシロオリゴ糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
過酸化水素水と酢酸の混合液による脱リグニン処理後、リン酸グアニジンを添加し、加熱炭素化してから二酸化炭素賦活、を行う炭素材料の作製条件について、生成する炭素材料の比表面積のリン酸グアニジン添加量依存性を調査した。その結果、約9 wt.%程度のときに比表面積が約2000 m2 g-1程度で極大となる傾向があることを見出した。 品質工学の手法を適用して、比表面積や静電容量が最大となる処理条件を見出すことを試みたその結果、静電容量の値はそれまでの値より約25%程度向上した。また、過酸化水素水を使用せず酢酸のみで処理する条件のうちで、比表面積の値が約3100 m2 g-1程度の値となる作製条件を見出した。更なる向上を目指す。 研究を進めるうちに、竹を加圧熱水処理を前処理とすることで、キシロオリゴ糖を生産し、その残渣でキャパシタ用電極材料を作製する構想を思い付いた。加圧熱水処理を行うことでキシロオリゴ糖を作製する報告を再現できることを確認し、その残渣から炭素材料を作製した。その結果、加圧熱水処理が生成する炭素材料の収率や比表面積に大きく影響を与えることを見出した。詳細に検討して性能の向上を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で提示した項目は、ほぼ遂行した。さらに品質工学の手法を適用することで研計画時に最適処理条件が存在すると想定していた条件とは少しずれた条件(過酸化水素水を加えず酢酸のみ)において大きな比表面積を実現できる条件があることを見出せた。比水系の条件での測定がまだであるため区分を(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
比水系電解液を使用した実験の静電容量の測定を行い、比水系電解液を使用した場合に静電容量が最大になる炭素材料の作製条件を見出す。平成26年度中に見出すことができた、約3100 m2 g-1程度の大きな比表面積を有する炭素材料を作製する条件をもとに、更なる比表面積の向上を試みる。これらの実験結果をもとに、本実験の処理により細孔が生成する反応機構を検討し、細孔径の制御する方法の指針を確立することを試みる。
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