2015 Fiscal Year Research-status Report
SPCおよびMC試験片による高温構造物の高効率寿命/余寿命診断システム
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26420007
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
小林 謙一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50114278)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | クリープ / 余寿命診断 / 経年劣化 / 規格化 / 半破壊試験 / 微小試験片 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
高温構造部材に対する高精度余寿命診断法を確立して、国内外にある関連試験法の規格化･標準化を目指すことを目的とした本研究では，実機ボイラー水冷壁管として6万時間使用された劣化材の抜管材(STBA20，0.5Cr-0.5Mo鋼相当品)を供試材料として，異なる試験雰囲気(大気・真空)中で一連のSPクリープ試験を実施して，余寿命評価を行うとともに，丸棒MC試験を実施して両者の相関を調べた．その結果，以下の結果を得た．
(1) 異なる雰囲気中でのSPクリープ試験の結果，真空中でのSPクリープ破断時間は大気中の約2倍となった．(2) 真空中SPクリープ試験とArガス中MC試験の累乗則回帰式では，SPクリープ試験での試験荷重Pと単軸クリープ試験での負荷応力σとの比P/σが2.4mm2~1.8mm2となり，負荷ボール直径が同じ従来の試験結果とほぼ同等となった．(3) 丸棒MC試験結果に2種の外挿法(MHP法，LMP法)を適用して残存クリープ寿命結果を推定した結果，6万時間使用された本抜管材はほとんど劣化してないことが分かった．(4) 3次元有限要素解析を実施した結果，SPクリープ試験片の偏心量は破断寿命に影響しないものの，負荷ボールの偏心量はSPクリープ試験片の変形を抑制することが分かった．
Arガス雰囲気中でMCクリープ試験を行っていたが，若干の酸化皮膜が形成された．これを防止するため，新たに真空雰囲気中で試験できるよう新規のMC試験機を設計・製作した．試作機を用いて予備試験を実施した結果，200時間を越えるMC試験でも酸化皮膜はほとんど形成されず，酸化膜形成を除去したクリープ試験データを取得できる目処を付けることができた．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に製作できなかった真空雰囲気内でのMC試験機を新たに完成させた．これを用いて予備試験を実施した結果，非酸化雰囲気を十分達成出来ることを確認した．今後このMC試験機で有用なデータを獲得することができる．また併行して実施した6万時間越えのボイラー水冷管を用いたSPC試験とMC試験では試験荷重と単軸クリープ試験での応力との相関を寿命比で統一的に扱えることを示した．
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り，SPクリープ試験機，MC試験機を整備することが出来たので，前年度の6万時間経年･水冷ボイラー管に引き続き，23万時間経年･水冷ボイラー管を供試材料として，系統的なSPクリープ試験，MCクリープ試験を実施して，微小試験片による余寿命診断法確立への基礎データとする．また数値解析により微小試験片内の応力分布と時間変化から，SPクリープ試験片内の代表応力を選定するとともに，その物理的根拠を示す．
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| Causes of Carryover |
真空雰囲気下で試験できるMC試験機を新たに設計製作した．このうち，必要な高温試験用･環状電気炉は本研究費で調達できたが，真空排気装置の設置には予算不足のため，別経費で賄った．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
Arガス雰囲気中のSPクリープ試験では依然として酸化皮膜が形成されていたので，残余金はこのArガス型SPクリープ試験機のチャンバー改良に使用する．
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