2014 Fiscal Year Research-status Report
微小液滴を用いたその場観察による応力腐食割れ発生機構の解明と寿命評価法の確立
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26420011
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤井 朋之 静岡大学, 工学研究科, 助教 (30377840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 敬一郎 静岡大学, 工学研究科, 教授 (10155492)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 応力腐食割れ / 環境強度 / き裂発生 / き裂進展 / 結晶粒界 / 結晶方位 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会インフラの高経年化問題に対して,構造材料に様々な要因が複合して生じる応力腐食割れ(SCC)に対する寿命評価技術の構築が急務である.本研究の最終目標は,SCC寿命の高精度予測法の構築である. 初年度には微小液滴を用いた微視その場観察システムを構築しSCCき裂発生挙動の評価を行う予定であったが,金属表面において所望する大きさの液滴を安定して形作ることが困難であった.そのため,2014年は微視その場観察システム構築の第一歩として,試験片中央部に数ミリ角の範囲をSCC発生の観察面としその他の面にプラスチックコーティングを行い,SCCによる微視き裂発生・合体・進展挙動の評価を行うシステムを構築した.構築した本システムを用いて,微視き裂の発生位置,長さ,深さ,角度等について評価を行った.さらに,試験前に電子線後方散乱回折法(EBSD法)による結晶方位の測定を行っており,結晶方位とき裂の関係を明らかにした.き裂は,潜伏期間の後に,荷重方向におおよそ垂直な結晶粒界に発生した.本研究の範囲内では,き裂の個数や寸法に及ぼす負荷応力の影響は大きくなく,結晶粒径の影響が大きいことが分かった.き裂は,双晶粒界には発生しておらず,その他の対応粒界やランダム粒界に発生することを確認した.今後は,結晶粒界における力学的評価に基づきき裂発生挙動の評価を行う予定である. 本内容は,2015年に開催される日本材料学会の講演会や材料強度に関する国際会議で発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
極細シリコンチューブを用いて微視その場観察システムの構築を試みたが,金属表面において所望する大きさの液滴を安定して形作ることが困難であった.微小液滴を作製するためのガラスキャピラリの加工に目途がついたため,超微量ポンプと組み合わせることにより微小液滴の形成を実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
微小液滴を用いた微視その場観察システムの改良を行うとともに,微視その場観察に基づき,SCCき裂発生・合体・進展挙動に及ぼす影響因子について多角的に評価する.
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Research Products
(4 results)