2015 Fiscal Year Research-status Report
PBO繊維の引張および疲労強度に及ぼすキンクバンドの影響
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26420023
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
堀川 教世 富山県立大学, 工学部, 准教授 (10363871)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 損傷強度 / 環境強度 / 強度分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度はH26年度で得られたキンクバンドを生じさせたPBO繊維の基本特性である引張強度の確率分布特性を破壊メカニズムも含めて総括してまとめるとともに、もう一つの基本特性である疲労強度特性を明らかにするために、実験装置の設置・調整と予備試験を行った。 研究の結果、キンクバンドを生じさせたPBO繊維の引張強度特性については、破面観察によりキンクバンドが破壊起点となることを明らかにした。次いで、引張強度に対してキンクバンドを欠陥としたワイブル解析により、引張強度はキンクバンドを欠陥とした有効体積の概念で説明できること明らかにした。紫外線を照射した場合には、キンクバンドを通り道として自動酸化反応が繊維内部に進行するため、強度低下が大きくなることを明らかにした。 キンクバンドを生じさせたPBO繊維の疲労試験については、微小荷重疲労試験装置の制御装置の更新を行った。次いで、予備試験を実施し、実験データの検証を行い、データが有効であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26、H27の成果は博士論文(川野優希(博士(工学)、富山県立大学)、H27. 9. 25.)の一部としてまとめられている。また、引張強度特性と疲労強度特性についてはH28にそれぞれECF21(The 21st European Conference on Fracture, Catania, Sicily, Italy, June 20 -24)とAPCFS2016(The Asia-Pacific Conference on Fracture and Strength 2016, Toyama, Japan, Sep. 19-22)の国際会議で研究成果の発信を行う予定である。以上のことからH27年度で掲げた研究テーマはおおむね達成できており、研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度はもう一つの基本特性である疲労強度特性を明らかにするとともに、引張強度と疲労強度を総括してまとめ、研究成果を国際会議で発信する予定である。疲労試験についてはすでに予備試験を終了し本試験に移行しており、いくつかの成果が得られている。研究成果はAPCFS201の国際会議で発表予定である。
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