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2014 Fiscal Year Research-status Report

多焦点PID偏光顕微ラマン分光応力測定法による樹脂系複合材料の高速応力マッピング

Research Project

Project/Area Number 26420026
Research InstitutionMeijo University

Principal Investigator

來海 博央  名城大学, 理工学部, 教授 (30324453)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords顕微ラマン分光法 / ラマン散乱強度 / 光ファイバー / マッピング技術 / 広範囲測定 / 面分光 / 多焦点
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,多焦点PID偏光顕微ラマン分光応力測定法による樹脂系複合材料の高速応力マッピング技術を確立するため,平成26年度は多焦点PID偏光顕微ラマン分光応力測定装置で必要となる要素ならびに装置の開発を行った.本研究の特徴であるマルチスケール応力測定技術で必要となる測定領域の線形(P)・積分(I)・詳細(D)測定技術の検討を行った.
測定領域を広げて平均的な特徴量を抽出する積分(I)測定技術に関する光学配置について検討した.測定領域を直径50~100μmとなる光学系の設計と製作を行い,照射領域が50μm程度となることを確認した.今後,照射領域内の複数の小領域を同時に評価する線形(P)測定技術の面分光へつなげる予定である.一方,光ファイバーを用いた広範囲ラマン分光測定の光学配置ならびに設計・製作を行い,部分安定化ジルコニア,シリコン,炭素繊維などのラマンスペクトルの測定に成功した.
二つ目に,多点同時測定に繋がる線形(P)測定に関連した技術の検討を行った.本研究で導入したラマン散乱光検出CCDの検出性能について,波数分解能(CCDの横方向)と2次元検出に必要なCCD縦方向分解能を検討した.波数分解能は応力測定に必要な分解能を有していることがわかったが,多点測定を実現する縦方向分解能は,スペクトルの重なりが3σ以上となる光ファイバーの配置を考慮すると,光ファイバーを縦に6~7本しか並べられないことが分かった.そこで光損失を考え,コア径200μmの光ファイバーを使用することとした.これに基づき多点分光ならびに面分光を行うための検出側の次元変換光ファイバーの設計を行った.
最後に,多焦点の形成に関する光学配置の検討を行った.500,750μmピッチのマイクロレンズを用い,3×3の9点,9×9の81点の焦点の形成を白色光ならびにレーザーで行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成26年度は,多焦点PID偏光顕微ラマン分光応力測定装置に必要な要素技術を開発する予定となっており,ビーム径を拡大し,その領域をそのまま検出する光学配置や光ファイバーを用いた光学配置等の設計・製作,多焦点の形成についての検討を行い,多くは概ね順調で一定の成果が得られた.しかしながら,平成26年度実施事項であった検出側の次元変換光ファイバーならびに関連する光学系配置の設計で多くの時間を要したため,一部遅れが出た.多点ならびに面で得られた光情報を光学レンズ(マイクロレンズ)で直接光ファイバーへ導入する技術は,本研究におけるマルチスケール応力測定技術の重要技術である.特に,CCD検出器の性能に合わせた光ファイバーならびにマイクロレンズの配置にする必要があり,検出器の性能,光ファイバーの性能,マイクロレンズの特性の3つの特性を鑑みて,最適な組み合わせになるように摺合せていく必要があるため,それらの詳細な検討に時間を要した.しかしながら,その他の光学配置の設計製作,要素モジュールの開発は進めており,平成27年度実施予定であった装置開発も一部進めていることから,全体としては概ね順調と判断した.

Strategy for Future Research Activity

今後の研究計画は,まず平成26年度に完成予定であった次元変換光ファイバーに関係する光学系の開発を行う.現在,次元変換光ファイバー,マイクロレンズ,光ファイバーの第1段階目の検討が終了し,設計段階まで進んでいる.そのため,今後の早い時期に次元変換ファイバーを含む光学系を完成させることで,今後の実験等は計画的に進むものと考えられる.また現在までに,多点に代わる面分光を同じ光学系で実現するための検討を行っており,新たな付加価値要素を見出している.本年度を目標に,多焦点PID偏光顕微ラマン分光応力測定装置の開発を実現する.
平成27年度の後半に実施予定であったグラフェン,炭素繊維強化プラスチックスの応力測定に関する理論的,実験的検討を前倒しで行う予定である.グラフェンにおける実験を平成27年度前半から装置開発と並列で行い,ラマン散乱強度の結晶方位依存性ならびにひずみ負荷に伴うラマンシフトの関係を明らかにする.

Causes of Carryover

実施計画では,平成26年度に多焦点PID偏光顕微ラマン分光応力測定装置の要素技術を開発する予定で,平成26年度に設計・製作する予定であった次元変換ファイバーの設計が遅れたため,それに伴い検出器に導入する光学系(マイクロレンズ等)ならびに,多点・面分光に対応するレーザー入射用の光学系の設計が遅れたため,これらの光学系部品等の購入ができず,次年度での使用となった.

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究費の使用計画は,平成26-27年度で開発する予定であった多焦点PID偏光顕微ラマン分光応力測定装置の要素技術ならびに装置開発に予算を充てていく.特に,平成26年度に設計・製作する予定であった次元変換ファイバーの設計・製作を平成27年度の早い段階で実現し,それらに伴い必要となる検出器に導入する光学系(マイクロレンズ,ミラー,エッジフィルター等)ならびに,多点・面分光に対応するレーザー入射用の光学系(マイクロレンズ,ミラー,ミラーホルダー等)の部品購入に予算を充てる.

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 高速2次元イメージングラマン装置の開発2015

    • Author(s)
      谷口 大二郎,今泉 潤哉,角田 恭兵,來海 博央
    • Organizer
      日本機械学会東海学生会第46回学生員卒業研究発表講演会
    • Place of Presentation
      愛知県・中部大学
    • Year and Date
      2015-03-12
  • [Presentation] 光ファイバープローブによる顕微ラマン分光装置の開発2015

    • Author(s)
      野々垣 貴裕,今泉 潤哉,角田 恭兵,來海 博央
    • Organizer
      日本機械学会東海学生会第46回学生員卒業研究発表講演会
    • Place of Presentation
      愛知県・中部大学
    • Year and Date
      2015-03-12

URL: 

Published: 2016-05-27  

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