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2015 Fiscal Year Research-status Report

エレクトロスピニング法による組織再生用ポリ乳酸ポーラスナノファイバー足場の開発

Research Project

Project/Area Number 26420027
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

片山 傅生  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70161065)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森田 有亮  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80368141)
田中 和人  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (50303855)
仲町 英治  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60099893)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsファイバースキャホールド / 有孔中空構造 / ポーラス構造 / ポリ乳酸 / エレクトロスピニング / 軟骨再生
Outline of Annual Research Achievements

エレクトロスピニングによる有孔中空構造およびポーラス構造を有するポリ乳酸(PLLA)ファイバーの紡糸技術の開発を行った.
中空PLLAファイバー内へ浸透した培養液が培養軟骨内部へ供給されるよう,ファイバー壁へ透過孔を設けることを試みた.アルギン酸粒子を添加したPLLA溶液を外側溶液,60%エタノール水溶液を内側溶液として二重ノズルを用いたエレクトロスピニングにより中空PLLAファイバーを作製し,作製した中空PLLAファイバーを蒸留水に浸漬することでアルギン酸粒子を除去した.SEM観察より,アルギン酸粒子の除去後に中空PLLAファイバーに透過孔が形成されたこと確認した.アガロースゲルに包埋した有孔中空ファイバーへの蛍光試薬の浸透観察より,有孔中空PLLAファイバー内を透過しゲル内に蛍光溶液が拡散していく様子が観察された.よって,作製した有孔中空PLLAファイバーは狭窄せず培養液の供給が可能であることが確認された.
昨年度までで開発した紡糸技術によりポーラスPLLAファイバースキャホールドを作製し,ブタ軟骨細胞を培養することでポーラスファイバーの栄養供給能と細胞活性の評価を行った.ファイバー表面および断面のSEM観察により,ファイバーが多孔質構造を有することを確認した.比較のため中実ファイバースキャホールドを準備した.ポーラスファイバースキャホールドにおける死細胞数は中実ファイバースキャホールドの場合の値と比べ少なかった.ポーラスファイバースキャホールドの場合の細胞外基質産生量は中実ファイバースキャホールドの場合の値と比較して高くなった.これらより,ポーラスファイバースキャホールドを通して培養組織内部への培養液の供給が維持されることで細胞活性が維持され,その結果としてポーラスファイバースキャホールドを用いた培養軟骨内に産生された細胞外基質量が高くなることが示された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実施計画として挙げた中空およびポーラスファイバーによる3次元構造のスキャホールドの創製と細胞を用いたスキャホールドの評価に対し、今年度は有孔中空ファイバー紡糸条件の探索およびポーラスファイバースキャホールドによる軟骨細胞培養に取り組んだ.
作製した2重ノズルを用いて,外側溶液をアルギン酸添加PLLA溶液,内側溶液をエタノール溶液とすることで,透過孔を有する中空PLLAファイバーの紡糸技術を開発した.アルギン酸粒子の添加と紡糸後の蒸留水によるアルギン酸粒子除去によって,中空ファイバーに透過孔を作製することを可能とした.蛍光溶液を用いてファイバー形態を評価したところ,ファイバーに狭窄が無く,蛍光溶液の集中箇所が確認され,ファーバー内に浸透した培養液が形成させた透過孔からスキャホールド内に滲み出すことも確認された.以上の結果より,目標とした有孔中空ファイバーの作製が順調に達成されていると考えられる.
また,PLLA溶液にPEOを添加し高湿度化で紡糸することで,ポーラス構造を有するナノファイバースキャホールドの作製に成功した.作製したポーラスファイバースキャホールドに播種したブタ関節軟骨細胞を培養し,中実ファイバースキャホールドの場合との比較により細胞死の軽減と細胞外基質産生量の増加すなわち細胞活性の維持を確認した.蛍光試薬の溶液拡散の評価により,ファイバーをポーラスとすることで,ゲル内部へ早期に試薬の浸透が確認され,作製したポーラスファイバースキャホールドでは培養液の供給の維持が細胞活性に有効であったことが示された.
以上の結果より,目標としたポーラスファイバースキャホールドの作製とその有効性の評価が順調に達成されていると考えられる.

Strategy for Future Research Activity

次年度は,今年度までに開発した有孔中空ファイバースキャホールドについてさらに多孔の形成箇所を均等かつ密とするようにさらなる最適な創製条件探索を行う.さらに,今年度までに開発した中空ファイバーの紡糸技術とファイバーのポーラス化技術を合わせることで,ポーラス構造を有した中空ファイバーの作製についても試みる.これらの技術により開発した有孔およびポーラス中空ファイバースキャホールドに軟骨細胞を播種し,多孔形成することによる培養液供給の向上により培養過程において軟骨細胞活性が維持されることを評価する.

Causes of Carryover

中空ファイバーおよびポーラスファイバーの紡糸条件の探索において,順調に条件探索が進んだため,当初予定していたスピニング装置の改良のための消耗品代や評価のための原材料費などが低く抑えられた.

Expenditure Plan for Carryover Budget

さらに多孔構造ファイバーを安定して紡糸できる技術の改善と,スキャホールドとした際の細胞活性の維持に対する効果の検証のための装置消耗品や細胞培養および検査用試薬に使用する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2016

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Development of porous PLLA microfiber scaffold for cartilage regeneration by electrospinning2016

    • Author(s)
      Ryosuke Narisada, Yusuke Morita, Tsutao Katayama, Kazuto Tanaka, Eiji Nakamachi
    • Organizer
      The 2nd International Conference on Biological Engineering and Natural Sciences
    • Place of Presentation
      Cebu, Philippines
    • Year and Date
      2016-01-19 – 2016-01-21
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] エレクトロスピニング法による多孔質PLLAマイクロファイバースキャホールドの開発2016

    • Author(s)
      成定涼介,森田有亮,片山傳生,田中和人,仲町英治
    • Organizer
      日本機械学会 第28回バイオエンジニアリング講演会
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      2016-01-09 – 2016-01-10

URL: 

Published: 2017-01-06  

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