2015 Fiscal Year Research-status Report
ミスオリエンテーション結晶塑性有限要素法に基づくプロセスメタラジー最適化
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26420029
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
倉前 宏行 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90298802)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マルチスケール解析 / 結晶塑性有限要素法 / 再結晶 / 圧延 / アルミニウム合金板材 |
Outline of Annual Research Achievements |
材料創製プロセス最適化のため,圧延条件や熱処理条件を設計変数とし,目的関数として成形性最大かつ塑性異方性最小といった多目的最適化問題を定式化し,応答曲面法に基づく最適化を行った.自動車車体用薄板材には,高曲げ加工性,および高スプリングバック特性を有する材料開発が求められることから,V曲げ加工を想定し,板材表面のひずみ集中率,および除荷前後の板材の角度差をスプリングバック角として評価指標に用いた.設計変数には,異周速圧延における異周速比とその後の焼鈍時間を採用した. その結果,2段異周速圧延を想定した解析において,最適な異周速比として1段目1.25, 2段目1.65を見いだした.これにより従来の通常圧延材と比較して,平均r値は1.6倍向上し,面内異方性を1.78倍以上低下させること可能であることを示した.さらに曲げ性,スプリングバック特性向上を目指した異周速圧延と熱処理パラメータ最適化においては,異周速比ν =1.16,焼鈍時間T =13.5 min.を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱・弾/結晶粘塑性マルチスケール有限要素法と応答曲面法を用いて板材創製過程(圧延,焼鈍)のプロセスパラメータ最適化を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
最適パラメータにより得られた仮想板材の集合組織をもとに,ミスオリエンテーション理論を導入した結晶均質化弾/結晶粘塑性マルチスケール有限要素解析により,板材の強度と成形性を評価する.塑性異方性を定量的に評価するための球頭ポンチによる深絞り解析,成形限界評価のためのLDH試験解析,深絞り性評価のためのr値解析,および強度評価のための初期・後続降伏曲面解析をそれぞれ実施し,従来材料との比較を行うことにより,本研究の有効性を明らかにする.
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Causes of Carryover |
導入予定だったマルチコア計算機が既存設備について,既存設備を使って研究遂行ができたため,導入時期を1年遅らせることによりさらに高性能かつ安価な機種を導入することとしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マルチコア計算機の導入に充当する.
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