2014 Fiscal Year Research-status Report
ナノファイバインプリントによるナノ粒子添加フィルムのマイクロ構造化と機能特性評価
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26420031
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西籔 和明 近畿大学, 理工学部, 准教授 (30208235)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロ構造体 / エレクトロスピニングナノファイバ / ナノ粒子 / インプリント / PMMA樹脂 / 酸化鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,マイクロ金属粉末射出成形(μ-MIM)の高精度・高集積化を阻んでいる製造上の課題を克服するために開発したマイクロ犠牲樹脂型インサート金属粉末射出成形(μ-SPiMIM)法に用いるマイクロ犠牲樹脂型の製造法を提案した.この製造法は,エレクトロスピニング(ES)法によるナノファイバをマイクロ構造を有するSi型に吹き付け,溶融後に離型し,幅1μm,高さ10μm以上(アスペクト比=10以上)の微細構造を持つPMMA樹脂型の作製が可能になった.従来の注型法に比べて,溶剤の除去が容易であり,離型もし易いという利点があることを明らかにした.このマイクロ樹脂型製造法をエレクトロスピニングナノファイバ・インプリント(ES-NFI)法と名付け,射出成形やコンタクト印刷などの粉末成形用の犠牲樹脂型に用いることにより、微細な表面構造を有する金属・セラミックス焼結体の量産や,ナノ粒子との複合化により機能性の高い樹脂フィルムの作製,さらに細胞培養や触媒床、スカフォールドなどへの応用も期待できるという有用性から特許出願を行った.本年度は,光学特性と耐候性に優れるPMMA樹脂を候補材料として選定し,既設のESナノファイバ製造装置を用いて作製したナノファイバシートを評価した.また,Fe2O3シングルナノ粒子(粒子径:7nm)をPMMA樹脂と溶剤に均一に分散した紡糸溶液の調製方法を検討し,このナノ粒子分散溶液を用いてESナノファイバを作製し,Fe2O3シングルナノ粒子の有無による影響を調査した.実験結果から,Fe2O3シングルナノ粒子の添加によりESナノファイバの作製は可能ではあるが,Fe2O3の凝集や変色により透明度が低下する現象が見られ,高屈折率かつ紫外線と近赤外線の吸収特性を持つ高機能なマイクロレンズアレイ等への応用に必要な光学特性を持つ樹脂シートを作製するのは容易ではないことが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エレクトロスピニングナノファイバを用いたマイクロ樹脂型製造法の特許出願は完了し,学術論文への投稿も2件行い,うち1件は印刷中,もう1件は査読中であるが,本提案手法の主な3つの有用性の1つである,シングルナノ粒子を添加して作製したエレクトロスピニングナノファイバシートの高い光学的特性を得ることが困難であり,当初予定した光学的特性の評価に至っていない.この理由は,Fe2O3シングルナノ粒子をPMMA樹脂に均一分散させた溶液の不安定さと,溶媒除去後のシングルナノ粒子の凝集・変色が主な原因である.
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Strategy for Future Research Activity |
シングルナノ粒子を添加して均一分散した紡糸溶液の作製は完了し,このナノ粒子を添加してESナノファイバシートおよびマイクロ構造を有する樹脂シートの作製は可能であることが分かったので,その作製条件の適正化と,溶剤除去および溶融後のナノ粒子の凝集・変色のメカニズムを明らかにする基礎的な現象把握を行う.この得意な現象を逆手に取った新規の樹脂シートの製造プロセスを提案する方針である.
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Research Products
(1 results)