2015 Fiscal Year Research-status Report
高精度機上形状計測とモデルベース誤差分析を融合した精度保証型切削加工
Project/Area Number |
26420038
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺本 孝司 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40252605)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 精度保証型切削加工 / 機上形状計測 / モデルベース誤差分析 / ラインレーザセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,高効率な機上計測を実現するためのラインレーザセンサによる工作物形状計測について検討を行った.昨年度明らかになった精度悪化の要因を検討し,対象物材質によるセンサ特性の変動が計測精度に影響していることを明らかにした.そして,対象物質の違いを考慮した計測値補正のためのモデルを実装し,その妥当性を検証した.この成果は,日本機械学会主催の国際会議LEM21において研究発表した.また,昨年度の水平面の計測に加え斜面の計測についても検討を行った.現時点では,一定程度の精度向上が図れたものの,機上計測に利用する上で十分な効果が得られていないことから,最終年度においては曲率を含む精度補償モデルの構築を進める.一方,モデルベース誤差推定については,工作機械への工作物の取り付けにおいて,工作物座標系の設定方法により工作物の寸法誤差が加工誤差に大きく影響することを明らかにした.さらに,工作物把持による工作物変形が,加工誤差に与える影響を実験的に確認するとともに,加工誤差を低減するための把持方法についての検討を行った.最終年度においては,想定可能な加工誤差要因ごとに誤差推定を行い,それらの重ねあわせとして計測結果要因を推定する手法について検討を行う.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機上計測については,単純な形状であれば高精度・工高率な形状計測が可能となったものの,複雑な形状に対しては対応できていない.これは,対象物の計測を行うための精密ステージが故障したことにより,一時的に実験が行えなくなったことと,対象物による計測誤差の傾向の違いを明らかにするのに時間を要したことによる.最終年度では,2年目に完成する予定であった機上形状計測システムを完成させて最終的な評価につなげる.モデルベース加工誤差分析システムについては,工作物把持による誤差と工作物の位置決め誤差を基にした検討を行い実験によりその妥当性の検証を行った.ケミカルウッドでの検証は概ね妥当であったことから,最終年度では切削力の影響を評価するとともに金属切削における妥当性の検証を行う.
|
Strategy for Future Research Activity |
完成が遅れている機上計測システムの構築を進めるとともに,モデルベース誤差推定システムを切削力による工作物および工具‐機械系の変形の影響を考慮できるよう拡張する.この拡張の妥当性について加工実験により検証する.機上計測システムの構築が完了するまでは,専用の形状計測装置を用いたオフラインでの計測結果を用いて検証を行う.
|
Causes of Carryover |
精密ステージの故障により,一定期間実験が停滞し当初予定に比べ実験の進捗が遅くなったことから,購入予定であったソフトエアのライセンス契約形態を廉価なものとしたことにより経費を削減したため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
機器の故障等の突発的な事態が生じなければ,当初の予定通り実験用消耗品および成果発表のための経費として使用する予定である.
|