2015 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド連続鋳造技術の開発による高強度・高延性軽金属材料の作製
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26420052
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡安 光博 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (40433148)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルミニウム合金 / 鋳造機 / 高強度 / 高靭性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高品質(高強度・高延性)軽金属鋳物を開発するための新しいハイブリッド連続鋳造技術を提案する。平成27年度は特にせん断力鋳造技術の開発及び応用化に取り組んだ。特にせん断力に加え、半凝固状態でアルミニウム合金の素材の開発の取り組んだ。例えば、高速回転で溶湯を撹拌し、組織を乱すことによる高強度化の取り組みである。今回はさらにこれら素材に複合組織を有する素材を開発するために高強度ナノパウダーをせん断力鋳造時に混在させた。その後、鋳造材を特殊高速連続鋳造によりサンプルを仕上げた。さらにその後、これらサンプルの高強度化にあたり、最適な温度条件にて熱処理を施した。この熱処理条件は、今までの基礎研究結果から決定した。その後、試験片を加工し、機械的性質について調査した。実際、具体的な原因は不明確であるが、引張り強度450MPa以上、そして高い破断伸び値を得ることができた。本研究の目標では、アルミニム合金の引張強度600MPa、破断ひずみ20%であったが、現在、数多くのアルミニウム合金鋳物の引張り強度は300MPa以下、破断伸びは数パーセントである。よって、本研究で得られた素材の強度は充分高い値を示している。もしこの素材が実用化できれば、多くの分野で使用されることが期待できる。今後の研究では、更なる鋳造機の開発による素材の高強度化を取り組むこともできるが、まずは現在得られた素材の高強度化した理由について調査していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調である。ある条件でサンプルを作製したところ、今まで報告のない高強度化したサンプルの作製に成功した。今後はこの研究についても進める。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で示したように、予想以上の高強度化したサンプルを作製できた。今後はこの研究についても調査を進める。当初の計画と少しずれるが目標は同じである。
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Causes of Carryover |
「0」にならなかった理由は、実験や装置の開発において、自作や他の予算を使用した。 また学会等の参加を控えて、研究に取り組んだ。少ない予算で研究を遂行する為、マイナスにならないように計画した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
装置の開発及び改良費及び研究の基礎研究に使用する。大きな成果が得られた場合、積極的に学会等に参加する。
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Research Products
(1 results)