2014 Fiscal Year Research-status Report
形状創成運動の確率的偏差に基づく多軸工作機械の最適構造設計に関する研究
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26420055
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
杉村 延広 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80135813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩村 幸治 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40332001)
谷水 義隆 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60275279)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多軸工作機械 / 形状創成運動 / 幾何学的偏差 / 運動偏差 / 偏差計測 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)多軸制御工作機械の形状創成運動偏差の定式化を行った.そのために,運動の偏差を定義する基準座標系の設定を行い,組立誤差に起因する系統的および非系統的運動偏差を,統計的なパラメータにより表現すために,平均値(系統的偏差)と標準偏差(非系統的偏差)により運動偏差を定義する手法を確立した. (2)具体的な3軸制御工作機械(大阪府立大学生産技術センターに設置されているマシニングセンタ)の形状創成運動の偏差の計測と評価を, DBB (Double Ball Bar) 法を用いて試みた.この計測システムは,工作物を取り付けるテーブルと工具を取り付ける主軸との間の運動偏差を計測することができるのが特徴である.すなわち,工作物に対する工具の形状創成運動の偏差を直接計測することができる.この計測データに基づいて,国際規格に準拠した形状創成運動の偏差パラメータの同定を試験的に行った. (3) 項目(2)で同定した形状創成運動偏差のうち非系統的な偏差は,工作機械の案内面の製造時における幾何学的な偏差に起因するものと考える.すなわち,製造公差内における案内面のばらつきが形状創成運動の非系統的な偏差として表れると考える.これに基づいて,案内面の幾何学的偏差のばらつきを標準偏差で表すことができると仮定し,(2)で計測した運動偏差の非系統的成分との関係を分析し,案内面の幾何学的偏差の標準偏差と運動偏差の標準偏差の関係を表す式を求めた.ここでは,特に工作機械の直線テーブルおよび回転テーブルの案内面が設計時に要求される幾何公差を満足するように製造されたとし,その公差の範囲内でばらつきがある場合に直線運動および回転運動の標準偏差を推定する式を求めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた3項目については,順調に研究は進展している.運動偏差の計測については,計測手法の習得が難しく試験的な計測しか行っていないが,他研究機関のデータなどを分析することで,研究の進展に関する影響はなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,申請時の研究計画に基づいて研究を進める予定である.平成27年度については,以下の項目について検討を行う予定である. (4) 項目(1)のモデル式および(2)の計測結果に基づいて,具体的な工作機械の形状創成運動の偏差の推定を行う.すなわち,x, y, z軸の相対的な直角度に関する偏差(系統的偏差)およびそれ以外の偏差(非系統的偏差)を(1)のモデル式をもとに,最小自乗近似により推定する.また,各運動軸の非系統的偏差に基づいて,各運動軸案内面の幾何学的な偏差を推定する. (5) 3軸制御工作機械について,2次曲面,3次曲面および自由曲面の加工を想定した運動を行い,そのときの工具と工作物間の距離の偏差をDBB法により計測する.この計測結果と(4)の形状創成運動偏差の推定値に基づくシミュレーションにより求めた計算結果を比較し,(1)で求めたモデルの妥当性の検証を行う.
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Causes of Carryover |
設備備品について30万円程度値引きがあったために,2015年度への使用額とした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度は,以下のように使用する計画である. (1)シミュレーション用コンピュータおよびソフトウエア 600千円,(2)加工用材料などの消耗品費 400千円,(3)国際会議出席などのための旅費など 400千円,(4)実験補助などの謝金 350千円
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Research Products
(7 results)