2014 Fiscal Year Research-status Report
マシニングセンタの精度低下予防のための日常検査方法の開発
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26420060
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
齋藤 明徳 日本大学, 工学部, 教授 (10334476)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 測定 / マシニングセンタ / 検査 / 画像処理 / レーザスペックル |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的の1つに挙げたCCDカメラを用いた画像処理による2次元変位測定システムの開発を以下のように研究計画に沿って,実施した. CCDカメラを用いた画像処理による2次元変位測定システムの設計と試作については,レーザポインタ,CCDカメラ,ターゲットの配置を決定し,CCDカメラに撮影されるスペックルパターンから変位を測定するための画像処理プログラムを作成した.変位の測定にはテンプレートマッチングを用いた.変位の測定精度を画素以上にするために,サブピクセル推定を,テンプレートマッチング後に行う方式を選択し,類似度をB-スプライン曲線によって補間する方法をプログラムに取り入れた. 試作した2次元変位測定システムを用いて,測定精度に影響を及ぼす因子について検討した.具体的には,レーザ光の色,ターゲットに対するレーザ光の入射角度,レーザ光を照射するターゲットの表面の状態,ターゲットとCCDカメラとの距離などが測定精度に及ぼす影響を検討した.特にターゲットの表面については,マシニングセンタのテーブル上面など様々なものがターゲットとして,用いられることが明らかになり,位置決めの測定だけでなく,熱変形の測定,工作物の位置合わせなどへの応用が期待できることがわかった.測定の精度は,マシニングセンタのテーブル上面でも,測定範囲40μmは±0.5μm程度であった. この実験の一部は,年度途中で完成した高精度な位置決めが可能な実験装置で実施した.この実験装置は,レーザ干渉計を用いて,十分な精度を有していることを確認した.装置の精度が保証されたことで,今後の実験において,ターゲットに与えた変位をレーザ変位計や静電容量型変位計で同時に測定する必要がなくなり,効率的に実験が行える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に挙げた「CCDカメラを用いた2次元変位測定システムを試作し,装置の構成を変更しながらXY平面内の任意の変位を測定し,測定精度に影響を及ぼす因子を明らかにする.その結果から,高精度に安定して変位を測定できる条件を導出する.」という点について,おおむね達成しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
マシニングセンタの位置決め精度を測定するために,位置の基準となる複数のターゲットの最適な配置と位置関係を保証する方法とを明らかにする. また,マシニングセンタのXY平面内の位置に加えて,Z方向の位置を測定するために,実験装置の構成を再検討し,Z方向の変位が測定可能であるかを調べる.
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Causes of Carryover |
成果発表を行うための旅費の負担がなかったため.また,現時点では,実験に使用するCCDカメラは,マシニングセンタへの取付方法を考慮する必要がないことから,研究室で所有したもので代用したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度の消耗品費として,実験装置の改良に使用する.
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