2015 Fiscal Year Research-status Report
電気自動車を支える革新的半凝固ダイカスト法を用いた超薄肉Alヒートシンクの創成
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26420064
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
布施 宏 大阪工業大学, 工学部, 講師 (70726778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽賀 俊雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00212134)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 材料加工 / ダイカスト / 半凝固 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ヒートシンクフィン高さを25mmから段階的に35mm,40mmに高くし鋳造性を確認した.Al-25%Si合金の溶解温度を830℃,800℃の2パターンとしフィン高さ35mmにおいて射出速度を0.6m/s,0.8m/s程でフィンが完全充填する事を確認した.溶解温度800℃でスリーブへ注湯した場合,射出直前の温度が680℃以下となり固相率が若干高くなり射出速度0.8m/s必要であった.830℃溶解でスリーブへ注湯した場合,射出直前の温度は680℃~700℃程度となり低固相率のため射出速度0.6m/sで完全充填した.亜共晶ダイカスト用合金ADC12においては溶解温度680℃においてフィンは50%以下しか充填しない.Al-25%Si合金と同様に830℃の溶解温度でスリーブへ注湯し金型内へ射出速度0.8m/s~1.2m/sで射出してもフィン完全充填する事は皆無であった.フィン高さ40mmの場合,Al-25%Si合金において830℃溶解でスリーブへ注湯し射出速度1.2m/sとする事でフィン完全充填する.これは単位時間当たりの流量を増やす事で完全充填する事が明確となった.亜共晶ADC12合金では全く充填しない結果である.金型表層にSiが晶出しその中を初晶α層が混在している事から過冷却現象により流動長,充填時間が長くても金型内の合金は流動を続けている事が明白となった. (2)ヒートシンク,ゲート付近,中央部,湯先の顕微鏡による組織観察においてはAl-25%Si合金において湯先側に共晶組織が集中し,ゲート付近に初晶Siが集中する傾向であった.初晶Siと共晶Si組織の分布が安定しない結果となった.これを改善する手段としてゲートからの噴出角度を可変させ湯先狙いではなく,ゲート側フィン根本を狙いゲートに対しサイドゲート角70°でゲート側から一方向流れを想定して噴出させた所,フィンベース湯先,中央,ゲート付近の共晶,初晶の分布が安定する事を明確にした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィン高さと射出速度の関係を明確にした.組織観察及び射出直前のスラリーの温度から判断しても過冷却が発生している事が明確である.ゲート噴出角度によるヒートシンク湯先,中央部,ゲート付近の結晶分布の違いを確認した.上記理由により平成27年度の研究項目においておおむね順調に進展していると考えます.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究項目においては,科研費申請書の平成27年度から平成28年度にかけての研究実施項目の半分を終えており,平成28年度に残り半分の課題を遂行する事を実施して参ります.
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Causes of Carryover |
フレキシブルレンジ直流安定化電源及び,ミディロガーGL240の実購入価格事前把握価格より安価で入手出来たため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アルミニウム合金の原材料購入に充当したい.
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