2015 Fiscal Year Research-status Report
インパクトタイプのダンパを応用した無振動工作機械構造物の開発
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26420066
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
若澤 靖記 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (50300588)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 振動 / 減衰 / 粒子 / 液体 / 工作機械 |
Outline of Annual Research Achievements |
工作機械の歴史は古く,産業革命の歴史において工作機械が果たした役割は非常に大きい.それ以来,多くの工業製品の製造に使用されており,工作機械の発達が,科学技術の進歩を支えてきた.しかし,鍛造機械および切削加工機械などにおいて,過渡的な振動は避けることのできない問題である.これらの振動を低減し,工作機械の性能を向上することは重要度が高く,現在までに多くの研究が行われている.その中でも固体の衝突を利用したダンパは単純な構造により,比較的大きな減衰能が得られるため,優れた減衰能改善方法の一つである.しかし,このようなダンパでは,衝突体が衝突した際に発生する騒音が発生し,必ずしも振動と騒音の減衰能が一致するとは言い難い.そこで,インパクトタイプのダンパに着目し,静音および振動高減衰能を目的として,液体との複合構造における工作機械構造物の減衰特性について検討した. 作製した複合構造物に対して,インパルス加振実験を行い,その減衰特性を調べた.また騒音特性も同時に測定した.実験は,粒子の粒径,質量,材質および液体の粘度を種々変化させた場合に対して行った.以上の実験により減衰特性に影響を及ぼすパラメータを明らかにし,最大減衰能が得られる液体の種類及び粒子条件を検討した.また,粒子に作用する抗力について,簡単な計算式を検討するとともに,それが減衰能に及ぼす影響について考察を加えた.さらに,いくつかの条件において,高速度カメラにより液体中における粒子の挙動観察を行い,減衰能発生に関する粒子の挙動を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定の実験についてはおおむね完了することができた.また,粒子に作用する抗力などの簡単な計算および粒子の挙動観察などの考察に関する内容もおおむね予定通り進行することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
粒子の挙動観察について,すべての条件において観察が完了しているわけではないので,引き続き粒子の挙動観察ついての検討を行い,減衰能発生機構に関する解明を行う予定である. 粒子に作用する抗力などの解析的な検討についても継続して研究していく予定である. さらに,工作機化構造物の実機に近いような状況での実験も行いたい.
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Causes of Carryover |
初年度の平成26年度購入予定であったFFTアナライザを初年度予算では購入できなかったため,平成26年度の繰越金と平成27年度予算の合計で購入した.そのため,平成27年度購入予定であった無響箱は購入することが予算的に購入することができなかった.しかし,平成28年度購入予定であった精密騒音計を前倒しで購入し実験することができた.このような理由により次年度使用が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の繰越金と平成28年度の予算を合計しても,当初予定していた平成27年度購入予定の無響箱は購入することはできないので,平成28年度の予算は,工作機械実機製作費および実験に必要な物品の購入などに使用し,研究を遂行していく予定である.
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Research Products
(1 results)