2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development and applications of precision diamond cutting tools utilizing the modification of surface structure induced by a focused ion beam irradiation
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26420070
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
川堰 宣隆 富山県工業技術センター, その他部局等, 主任研究員 (30443419)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超精密切削加工 / 単結晶ダイヤモンド工具 / 集束イオンビーム / 熱処理 / テクスチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
超精密加工用の単結晶ダイヤモンド工具にテクスチャを作製することで、その加工特性を改善できる。テクスチャを有するダイヤモンド切削工具の最適化を目的として、テクスチャの位置、幅、加工条件、加工材種等を変化させた実験を行った。切削速度180 m/minの高速加工で切れ刃からの位置を変化させた結果、テクスチャが切れ刃に近い場合に、強い効果が現れた。またその効果は被削材種によって異なり、被削材がアルミニウム合金の場合には切れ刃から8.6 μmの場合にも効果が生じるのに対して、NiPの場合にはテクスチャに極近い1.0 μmの場合にのみ効果が現れた。一方、超精密切削加工において一般的な切削速度0.5 m/minの場合、工具・被削材間の接触距離の変化によって、より切れ刃に近い場合でのみ効果が現れる。またこれらの条件においては、切削力が約70 %減少するなど著しい効果を示した。通常の工具では切りくずの不規則なせん断変形によって、加工面に大きなうねりが生じるのに対し、テクスチャを有する工具では不規則なせん断変形を抑制でき、加工面性状の改善にも大きな効果が現れることを明らかにした。この傾向は、金型材料として使用されるNiPが被削材の場合により強く表れる。 またテクスチャの幅を変化させた実験を行った結果、高速、低速加工でテクスチャによる効果が変化し、高速加工では幅1.0 μm以上のテクスチャが必要であることを明らかにした。一方、低速加工では幅0.5 μm程度のテクスチャに置いても、強い効果が得られることがわかった。 以上の結果より、テクスチャの形状、条件、被削材によってテクスチャによる効果が変化することを明らかにし、とくに低速加工において、切削力、仕上げ面性状の観点から著しい効果が得られ、これらの加工における有用性を示すことができた。
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Research Products
(6 results)