2014 Fiscal Year Research-status Report
可変分割ブランクホルダー力と初期ブランク形状の多目的最適設計
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26420076
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北山 哲士 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (90339698)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 最適設計 / 多目的最適化 / 逐次近似最適化 / 塑性加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,深絞り加工を対象に,金型内への材料流入を部分的に制御して成形品の板厚分布を一様にすることを目指しつつ,成形後に生じる耳を最小とするような初期ブランク形状を決定する多目的最適成形加工法の開発を目的とした.具体的には,角筒深絞り加工を対象に,耳を最小化する初期ブランク形状とブランクを抑える力(ブランクホルダー力)をストロークに応じて変化させる可変ブランクホルダー力の軌道を求める問題を多目的最適設計問題として定式化した.耳の評価について,事前に設定したトリムラインを下回った部分の面積と,上回った部分の面積を個別に評価した,また,成形不良として考えられるしわと割れの定量的評価方法については,成形限界線図を用い,それらを制約条件とした.さらに,可変ブランクホルダー力の最適軌道については,ストロークを分割し,各ストロークにおけるブランクホルダー力を設計変数とした.塑性加工シミュレーションは一般に計算コストが大きいため,Radial Basis Functionネットワークを用いた多目的逐次近似最適化システムを構築し,それを用いて最適化計算を行った.数値シミュレーションの結果,耳が最小となるような初期ブランク形状は金型形状に大きく影響される結果となり,一方,可変ブランクホルダー力は大きく二つ存在することが明らかとなった.基準ブランクとして考えた正方形形状のブランクと比較し,大幅に耳を減らすことができており,本研究で考えた最適設計法の有効性をシミュレーションにて検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
角筒深絞り加工を対象に,耳を最小化する初期ブランク形状とブランクを抑える力(ブランクホルダー力)をストロークに応じて変化させる可変ブランクホルダー力の軌道を求める問題を多目的最適設計問題として定式化し,塑性加工シミュレーションと多目的逐次近似最適化を用い,一定の成果を挙げることはできたと考えている.このような研究は,薄板成形技術の先進的な研究であり,次年度の検証実験にむけ,よい結果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られたシミュレーション結果の妥当性を,サーボプレス機を用いて検証実験を行う.耳の最小化について,現時点では,トリムラインを下回った部分の面積と,上回った部分の面積をそれぞれ目的関数として考えているが,トリムラインに近づくような目的関数の設定について検討する.また,耳の評価に加え,板厚変動を最小化するような3目的以上の場合も想定される.このような場合,意思決定が容易に行えるようなシステム開発を行う予定である.さらに,分割した可変ブランクホルダー力を用いて,さらなる品質向上を目指した成形加工法を,最適設計問題として定式化し,数値シミュレーションを行う必要がある.しわや割れの評価方法については,成形限界線図を用いて定量的に扱うことが妥当であると考えられるため,この評価方法を引き続き用いる予定である.
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Causes of Carryover |
ノートPCが想定よりも若干安かったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コンピュータで作成したデータの保存用SDカードを購入予定である.
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Research Products
(1 results)