2014 Fiscal Year Research-status Report
分岐理論に基づく特異曲線抽出による完全六面体メッシュ生成
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26420084
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
川原田 寛 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40462676)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ボリュームメッシュ / 特異曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は表面形状から有限要素法が可能なボリュームメッシュ,特にシミュレーション結果の解析精度の点で現状の四面体メッシュよりも優位とされる六面体メッシュを作成する際,必ず問題になるボリュームメッシュ中の特異辺集合の決定を自動かつ高品位に行うことによる,従来型より優れた完全六面体メッシュの全自動生成手法の確立を目的としている.この問題に対し,ボリューム細分割というボリュームメッシュ中のヤコビアンを全自動で上昇させる手法やその初期メッシュの自動生成法の開発を行ってきており,一定の成果が得られている. これまでの我々の手法ではボクセルを変形させ初期メッシュを得ていたが,特異辺のないボクセルではなく形状に適合した特異辺集合を持つ初期メッシュを使用することが,結果の六面体メッシュの品質を向上させるということは,既知の事実である.ゆえに本研究では初期六面体メッシュをボクセルから,形状に適合した特異辺集合を持つ六面体メッシュへ変更することによる高品位な完全六面体メッシュの全自動生成を目的としている. そのためには対象となる形状に対する特異曲線の導出する必要があり,先行研究ではスカラー場の極大(小)値を抽出する方法(特に距離場の極大値集合を求める方法が有名)がある.この問題では極大値集合の枝分かれ(分岐)が困難さの元凶であり,いかにして枝分かれを抑えるかに研究の主眼が置かれていることが多い.しかし3次元形状に関しては,スカラー場の変更は予期せぬ極大値集合を作りやすく,形状や極大値の定義の変更は2次元に比べ,変更後の極大値集合を予測し難い.そこで我々はスカラー場に対する極大値集合の分岐は,そのヤコビ行列の固有ベクトルの非連続箇所,および固有空間の分解模様の変化箇所で起こることを見出し,それの基づいた極大値の抽出を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
将来の簡便性のためプログラムの拡張性を高める作業を行っているため.
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Strategy for Future Research Activity |
拡張性を高める作業が完了すれば今後の研究が捗るため,遅れを取り戻すことが可能となる.これを基に研究計画通りに遂行できるよう努める.
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Causes of Carryover |
当初予定していた物品の購入が緊急ではなかったため,必要な時期に合わせて購入することとした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品の購入および国際会議などの旅費および参加費さらには人件費,雑費として使用する.
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