2014 Fiscal Year Research-status Report
極限軽量構造創生のための分布系構造最適化問題の数値解法の開発
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26420091
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
下田 昌利 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00350570)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨組構造 / 軽量構造 / 構造最適化 / 形状最適設計 / フリーフォルム / 変分法 / 関数空間の勾配法 / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
3次元骨組構造の最適化手法の基礎となる剛性設計問題について,関数空間での定式化を行い,最適性条件と感度関数を理論的に導出した.骨組構造を構成する部材はチモシェンコはり理論に基づく微小な直線はりから成るものとした.剛性設計問題としては柔構造と剛構造の両設計問題への適用が可能な所望変形のコントロール問題を取り上げた.構造を決定する変数としては剛性への影響の大きい軸外方向の形状変動と断面サイズとした.ソリッド構造と異なり骨組要素では実断面が存在しないため,設定した仮想断面に対して物質微分法を適用する手法を提案した.感度関数の効率的な計算のため,ラグランジュ乗数法と随伴変数法も利用した.また,感度関数に含まれる部材各部の曲率に関して,その離散曲率の簡便な算出方法の提案も新たに行った. 導出された感度関数を利用し,与えられた初期骨組構造に対し,事前にパラメータ化することなく,各部分が自由に部材軸外方向に変動し,更に断面サイズも自由に変えながら最適形状へ向かう関数空間の勾配法を開発した.勾配法による設計変数の決定ではメッシュの正則性を保持しながら目的汎関数を最小化させることを狙い,軸外形状変動量の支配方程式には擬似骨組構造の剛性方程式を導入し,断面寸法の支配方程式にはポアソン方程式を導入した. 剛性解析,随伴解析,感度関数の評価,変動量解析,形状更新をコアとする最適化システムを構築した.なお,システムの実用性と汎用性を高めるため,剛性解析,随伴解析と変動量解析には商用FEMコードを利用するシステム構成とした.本システムは今後開発する座屈問題や振動問題の基本システムとなる. 構築したシステムを基本的な問題と大規模な設計問題へ適用し,良好な結果が得られることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
振動問題の内,固有振動設計問題に着手したが,最適化の過程での重根問題が未解決で,次年度の課題とした. 当初,軸内変動も設計変数へ含める計画であったが,力学特性の改善に対する効果が少ないことと感度関数の導出が複雑になる理由で,先送りした. ロバスト設計への応用が可能なことが分かり,計画にはなかったが着手し,目処付けができた. その他は順調に達成されている.
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Strategy for Future Research Activity |
固有振動設計問題における重根問題は方向微分の考えに基づく感度関数の導入を考えており,これで解決できる見込みである. 27年度は早期に固有振動問題の解法を論文としてまとめると共に,周波数応答問題へ着手する.また,26年度に着手したロバスト設計問題の解法を完成させる. 骨組構造設計にとって非常に重要な座屈問題に着手し,感度関数の導出からプログラム開発(モジュール化)を行い,開発システムへ組み込む.
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Causes of Carryover |
構造解析用ソフトウェアが当初計画より安く購入できたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コンピュータ関連の消耗品に使用する.
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