2014 Fiscal Year Research-status Report
非定常離脱衝撃波の実証実験とその動的制御を目指した理論構築
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26420099
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大西 直文 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20333859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 清伸 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (80536748)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 衝撃波 / 流体不安定性 / 低比熱比気体 / 弾道飛行装置 / 数値流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,弾道飛行装置による実験と三次元数値計算によって離脱衝撃波の不安定性発生についての調査と解析を行った.弾道飛行装置による実験においては,これまでの予備研究を参考に飛翔体の検討を行い,サボを用いずに,円錐状のジュラルミンを円柱状のポリカーボネートに埋め込む形を採用した.これにより,再現性の良い実験結果が得られるようになり,20回を超える有効ショットを得ることができた.このうち,低比熱比気体であるHFC-134aを用いた全てのショットでは,衝撃波面に歪み,もしくは飛翔体の後流に非定常な乱れを観測することができ,非定常衝撃波が発生したと考えられる.一方で,空気中でのショットは全て衝撃波が定常であった.また,衝撃波面の歪みが大きかったショットでは,歪みが下流へと流れ去る様子が観察された.このような様子が三次元数値計算でも確認され,実験によって衝撃波不安定性を実証できたと考えられる.飛翔体の頭部を円柱形状に変更し,さらに空気とHFC-134aの混合によって比熱比を変化させた条件によって実験を行い,不安定性が出現する条件を調べたところ,これまで数値計算から得られていた予想の通り,頭部形状の端が鋭角にくびれ比熱比が小さい条件の方が,より不安定になりやすいことを実験からも確かめる事ができた.また,数値計算から全体安定性解析を行い,物体の角付近から出た音波が衝撃波面との間で増幅されることを示唆する結果を得た.ただし,これに関しては,今後さらなる調査が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験により衝撃波の不安定性を確認することができた.また,機体種によって結果が変化したことや,数値計算のからも同様の結果が得られたため,不安定性の実証ができたと考えられる.1年目で実験により現象を実証できたことは計画通りであり,研究は概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,弾道飛行装置を用い,より多くの条件で実験を行うことで,不安定性が起きる条件を明らかにしていく.また,数値計算を用いた全体安定性解析をさらに進めていき,詳細なメカニズムの解明を目指す.
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Research Products
(2 results)