2015 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical and numerical studies on compressible turbulent flows with shock waves
Project/Area Number |
26420109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大和田 拓 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40223987)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 衝撃波捕獲 / 高次精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は昨年に開発した衝撃波捕獲スキーム(以下、気体論スキーム)の高次精度化を行った。衝撃波捕獲には衝撃波付近で多くの数値粘性が必要になる。しかしこの数値粘性は衝撃波近傍以外では極力減らす必要がある。代表的な高次精度衝撃波捕獲スキームであるWENOスキームでは、不連続を許容する5次精度の多項式によって流体力学的変数が再構成され、局所ラックス・フリードリックス法によって数値フラックスが計算されるが、それだけでは衝撃波近傍の数値振動を抑えることはできない。局所的に特性変数に対する再構成が用いられ、その陰的な数値粘性を合わせることでようやく衝撃波が振動を伴うことなく捕獲されるが、計算手順が複雑で、多くの計算コストが必要になる。一方、不連続を許容する再構成法であるMUSCLは計算コストが低いが精度が二次精度と低いが、気体論スキームと共に用いれば、数値的衝撃波の厚みはWENOスキームと同程度であり、衝撃波捕獲に関してはWENO法と遜色がなくなる。しかし衝撃波から離れた領域では、二次精度であるので波や渦を正確に捕らえるにはWENO法に比べ多くの格子点が必要となる。そこでMUSCLと計算コストがかからない通常の5次精度の多項式のハイブリッドな再構成を気体論スキームに適用することで、計算コストのかからない高次精度の衝撃波捕獲スキームを開発しようと試みた。このハイブリッド再構成は、衝撃波近傍ではMUSCL、衝撃波から離れた領域では通常の5次精度の多項式となるように二つの再構成法の線形結合の係数が調整されるが、現在までの予備計算(Shu-Osherテスト、渦と衝撃波の干渉等)では比較的簡単な方法で線形結合の係数を決めてもかなり良好な結果が得られている。このスキームは乱流と衝撃波の干渉のDNSに望ましい性能を有しており、28年度はこのスキームをさらに成熟させる研究に専念する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衝撃波捕獲スキームの高次精度化の研究に進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始時の研究計画では気体論を用いた乱流モデルの検討が含まれていたが、コルモゴロフ長を代表長とする現象においても、気体論の果たす役割は小さいことが気体論と流体力学方程式の数値解析などによって確かめられた。一方、衝撃波捕獲スキームの高次精度化の研究にはかなりの進展があり、今後はこれに焦点を絞って研究を進める。
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Causes of Carryover |
本年度は海外発表を控え、高次精度衝撃波捕獲スキームの予備計算に専念した。これには物品としてGPUボード(TeslaK40)を購入したが、それ以外に必要なものはなく、次年度の旅費の一部として残した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費の一部として使用する予定である。
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