2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420118
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川原 顕磨呂 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (20224818)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 二相流 / マイクロ流路 / ミニ流路 / 濡れ性 / 気泡長さ / ボイド率 / 気泡長さ |
Outline of Annual Research Achievements |
幅5mm、高さ2.5mmの水平な矩形ミニ流路の実験装置を新規に作製した。そして、その装置を使用して流路の壁面の濡れ性が空気-水の気液二相流の流動特性(気泡長さ、液スラグ長さ、気泡速度(ボイド率)および摩擦圧力損失)へ及ぼす影響を調査した。流路の壁面(材質はアクリル樹脂)に撥水性のスプレー剤をコーティングすることにより濡れ性を変えた。濡れ性の指標である接触角を測定したところ、コーティングの無しの場合の接触角は80°、有りの場合のそれは115°であり、コーティング有の流路の濡れ性が悪いことが分かった。実験の結果次のことが明らかになった。 ・流路の壁面の濡れ性が悪くなる(撥水性のコーティングをした場合)と気泡の長さが長くなる。すなわち、同一の気・液流量条件にでも流路の壁面の濡れ性を変えることにより気液の界面の形状を変えることができることが分かった。 ・壁面の濡れ性が悪いと気泡の速度は遅くなり、気体の体積率であるボイド率は高くなることが分かった。気液間の反応を起こさせる場合、ボイド率が高くなることにより気液の接触界面が増加し、反応効率が上がることが期待される。 ・流路の壁面の濡れ性が悪くなると摩擦圧力損失が小さくなることが確認された。流路の代表径が小さくなるにつれて、圧力損失は大きくなり流体を装置に導入するための動力が大きくなる。したがって、流路の壁面の濡れ性を悪くすることにより圧力損失が低減でき、動力を削減できることが期待される。 上記の研究に加えて、液体の種類が気液界面形状に影響を及ぼすことから、液体マイクロ流路内の非ニュートン液体と気体二相流の流動特性を実験的に調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおりミニ流路における壁面濡れ性が気液二相流に及ぼす影響を調査できたため。また、実績概要に示したとおり濡れ性を変えることにより二相流の界面形状や圧力損失をコントロールする可能性を見い出せたことによる。
|
Strategy for Future Research Activity |
壁面の濡れ性の程度を変えた流路、濡れ性を局所的に変えた壁面を持つ流路を製作して、実験を行う。さらに、流路寸法をさらにダウンサイジングさせて流路を製作して実験を行う。そして、これらの実験から得られた成果をもとに液の混合への濡れのパターンや寸法効果の影響を総合的に明らかにする。
|
Causes of Carryover |
マイクロ流路の製作を行わかなったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
マイクロ流路の製作に充てる。
|