2014 Fiscal Year Research-status Report
ポルフィリン自己組織化単分子膜による微細流路内温度の高空間分解能イメージング計測
Project/Area Number |
26420120
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
坂村 芳孝 富山県立大学, 工学部, 教授 (00264680)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 流体工学 / 流体計測 / 温度イメージング / 微細流路 / 自己組織化単分子膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,温度変化に応じて発光強度が変化する発光分子(ポルフィリン化合物)を自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer, SAM)法によりガラス基板上に化学吸着させることで感温発光薄膜センサを作製し,微細流路内の温度分布を高い空間分解能でイメージング計測することを目的とするものである.より具体的には,温度感度を有する発光分子を新たに合成し,SAM法によって基板上に固定してマイクロスケールの微細流路内の温度分布計測を実施することで,本手法の有効性を検証しようとするものである. 平成26年度は,感温発光分子の新規合成と感温発光薄膜の作製を試みるとともに,微細流路での実証実験の準備を行った.まず,温度によって発光強度が変化することが期待される発光分子として,tetra[3-(pentafluorophenoxy-succinyl-oxyethoxy)phenyl] porphyrin (H2TPFPSOPP) を新規に合成した.発光分子の同定は,吸光および蛍光スペクトル計測,核磁気共鳴分光法によって行った.次に,合成した発光分子をSAM法によってITOガラス上に化学吸着させ,発光薄膜を作製した.温度および圧力を変化させることができる容器を用いて薄膜から放射される放射光強度の温度および圧力に対する感度を調べたところ,圧力にはほとんど依存せず,温度によって発光強度が変化することが明らかとなった. また,上記の研究と併せて,倒立型蛍光顕微鏡を新たに整備し,微細流路での実証実験の準備を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規発光分子の合成が当初の予定通り進まず,温度および圧力較正試験や実証実験の準備が遅れてしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
より均一なSAM膜の作製方法を探求するとともに,さらに幅広いレンジで圧力および温度較正試験を行うことで,本計測手法の有効性を検証する.また,微細流路を作製し,実証実験の準備を進める予定である.
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Research Products
(4 results)