2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420129
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
大山 聖 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (10373440)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 風洞試験 / 多目的設計探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
数値流体力学などのシミュレーション手法と組み合わせて利用され,物理現象の理解や製品設計に役立てられてきた多目的設計探査手法を,これまでは試行錯誤的に行われてきた風洞試験に導入することにより,風洞試験方法を革新することを本研究の目的とし,開発した手法の有効性をプラズマアクチュエータの風洞試験により実証することとしている.今年度は翼型模型にかかる揚力と抗力を推算するシステムを構築し,プラズマアクチュエータの風洞実験を用いた多目的設計探査を開始した.今後は今年度構築したシステムを使って,いくつかの条件で多目的設計探査を行い,プラズマアクチュエータ設計に関する知見を得ていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,初年度はプラズマアクチュエータで制御された翼型にかかる抵抗を計測するため3分力天秤を計測システムに導入する予定であったが,プラズマアクチュエータが発生する電磁場により3分力天秤の信号に大きなノイズが乗ってしまうため3分力天秤を使ってプラズマアクチュエータで制御された翼型の揚力・抵抗を計測することは難しいと言うことが明らかになった.そのため,翼型模型の表面圧力データを積分して揚力や抗力を推算することにした.抵抗計測に関しては3分力天秤よりも計測精度が落ちてしまうが,定性的な傾向を見る目的であれば問題ないと考えられる. 一方,平成28年度に実施予定だったPIVによる流れの可視化については今年度からいくつかの代表的な最適解について実施し,流れ場の考察を開始している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度,平成28年度については当初予定通り研究を進める予定である. 平成27年度は平成26年度に構築した実験装置を用いて,本格的なプラズマアクチュエータの多目的設計探査を開始する.プラズマアクチュエータに印可する電圧の設計パラメータとしては振幅,周波数,バースト周波数,など多数のパラメータがある(図4)がそれらと翼型が発生する揚力や抵抗との関係を明らかにする.また風速や翼模型サイズを変更してレイノルズ数を変えて多目的設計探査を行い,主流レイノルズ数と最適な電圧信号設計パラメータとの関係を明らかにする.また,プラズマアクチュエータの設置位置を変更し,多目的設計探査をおこなうことで,設置位置への依存性も明らかにする. 平成28年度は得られた結果の整理や追加実験,学会発表や学術雑誌での論文発表を行う.また,得られた非劣解のうちの代表的な解を抽出して,PIVによる流れ場の可視化を行い,考察を深める.
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Causes of Carryover |
研究成果について,国際会議での研究発表を平成26年度に実施の予定だったが,研究成果がでるのが遅れたため見送った.そのために確保していた旅費を次年度に使用することとした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度から繰り越した予算については,当初予定していた国際会議発表に使う予定である.
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