2015 Fiscal Year Research-status Report
非円形微細流路水平流の沸騰熱伝達促進メカニズムの解明と熱伝達予測法の確立
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26420148
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 英夫 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70150505)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 伝熱機器 / 沸騰熱伝達促進 / 非円形微細流路 / 水平流 / 熱伝達予測法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 水力直径 1 mm 程度の三角形正立配置流路における冷媒R410Aの沸騰熱伝達の試験を行い,その特性を,流路形状が異なる倒立配置,円形流路,矩形流路の場合と比較した.その結果,一般に,微細流路における沸騰熱伝達は,流路形状の違いによらず,液膜熱伝導蒸発,核沸騰,強制対流蒸発の3つの特性に分類され,それぞれ,低熱流束低流量低クオリティ,高熱流束,高流量高クオリティの条件で支配的になること,さらに,非円形流路における液膜熱伝導蒸発の熱伝達は円形流路と比べて良好で,支配域は高気相質量速度側に広がることが明らかになった. 2. GWPの小さい新冷媒R32とR1234yfの直径 1 mm 円形管内沸騰熱伝達の試験を行い,得られた熱伝達率をR410Aと比較して,冷媒物性の影響を明らかにした.全般に,冷媒R32は,R410A,R1234yf冷媒と比べて,熱伝達は倍程度に良好で,これは主に,蒸気密度と液粘性係数が小さく気液二相流束が大きくなること,液熱伝導率が大きく液膜を通した熱伝導が良好になるためであると考えられた.また,R1234yfの熱伝達は,R410Aと比べて,全般に幾分悪い.これは,蒸気密度は小さいものの,液粘性係数が大きく,液熱伝導率が小さいためであると考えられた.さらに,これらの熱伝達の違いにより,R32の核沸騰が支配的となる熱流束条件は,他の2冷媒と比べて,高くなることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遅れていたR410A冷媒の三角形管正立配置流路における沸騰熱伝達試験データを取得し,特性を倒立配置,円形流路,矩形流路の場合と比較検討するとともに,予定していた新冷媒R32とR1234yfの円形管内沸騰熱伝達の試験を行い,得られた熱伝達率をR410Aの場合と比較して,伝熱メカニズムに及ぼす冷媒物性値の影響,特に蒸気密度と液熱伝導率の影響を明らかにすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
1. 冷媒R32およびR1234yfを用いて,矩形管内の沸騰熱伝達と流動観察試験を行い,得られた熱伝達率と観察結果を,R410Aの場合,円形流路の場合とそれぞれ比較して,伝熱メカニズムに及ぼす冷媒物性と流路形状の影響,特に非円形微細流路で重要な液熱伝導率と表面張力の影響を明らかにする. 2. 平成26年度,27年度の結果を含め,扁平多穴管を対象に,明らかにした伝熱メカニズムと得られたデータに基づいて,非円形矩形流路の熱伝達率の熱伝達予測式を作成し,扁平多穴管の熱伝達データと予測値を比較して,適用性を検討する.
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Causes of Carryover |
試験に用いた冷媒R1234yfを安価に購入できたこと,また手持ちの試験管を用いて試験を終えることができたため,新たに試験管・配管材料を購入する必要がなかったことによる.当初予定の試験はほぼ予定通り実施できている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定するR1234yfの試験に用いる試験管の作成,ならびに成果発表を予定する国際会議への出張経費として使用する.
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Research Products
(1 results)