2014 Fiscal Year Research-status Report
多自由度油圧アームの新しい表現に基づく高速動力学計算と全エネルギー制御
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26420173
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| Research Institution | Shinshu University |
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Principal Investigator |
酒井 悟 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (90400811)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 油圧ロボット / 油圧アーム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究を含む全体構想は，既存の制御理論の限界を超えるための，油圧アームに固有の構造的特徴を活用したモデルベースト制御の体系化（モデリング・パラメータ同定・制御器設計・シミュレーション・実装実験の各段階を接続して実施可能となること）である．特に本研究の目的は，全身モデル（アーム・回路・エネルギー源の結合モデル）の構築，および，全身モデルに基づく代表的な機構解析と制御器設計であり，全体構想のための基盤整備である．
本研究は次の３段階から構成される．[S1]全身の高速計算モデルの構築：応募者によるアーム・回路の高速計算モデルと結合可能なエネルギー源の高速計算モデルを提案して，応募者によるパラメータ同定法・制御器設計法と接続可能な全身モデリング法を提案する．[S2]全エネルギーの観点からの機構解析：全身の高速計算モデルから計算できる全エネルギー（力学エネルギー＋内部エネルギー）を評価して，多自由度のための複数の回路方式（パラレル回路とタンデム回路）を前提に代表的な最適機構の設計法を提案する．[S3]全エネルギーの観点からの制御器設計：全身の高速計算モデルから計算できる全エネルギーを評価して，関節とエネルギー源の同時操作を前提に代表的な最適制御の設計法を提案する．
当該年度では，段階[S1][S2][S3]の全てに共通する回路とエネルギー源について，モデリングと実験装置の改造を部分的に実施した．具体的には，回路に関して，Ａ：従来研究のパラレル回路と異なる方式であるタンデム回路に対するモデリング，Ｂ：従来研究のパラレル回路と置換することが可能なタンデム回路の実現，を実施した．同時に，エネルギー源に関して，Ｃ：特異摂動したポートハミルトン系としてのベルヌーイ則に対するモデリングを部分的に実施した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
段階[S1][S2][S3]の全てに共通する回路とエネルギー源について，モデリングと実験装置の改造は主要部分を完了したが，特に実験装置の改造では時間を要した．また油圧アームのモデルベースト制御体系化に対して常に重要な指針の１つを与える線形解析に時間を要した．
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| Strategy for Future Research Activity |
当該年度の研究実績の概要で述べたＣ：特異摂動したポートハミルトン系としてのベルヌーイ則に対するモデリング，に対する切り口として，ベルヌーイ則の接続構造を明らかにすることが科学的にも技術的にも極めて重要な課題である．つまり，ベルヌーイ則の接続構造が明らかになれば，応募段階において３つに分類した全身（油圧アーム・回路とエネルギー源）の接続構造の全体が明らかになると考えられる．逆に，ベルヌーイ則の接続構造が明らかになれば，段階[S1][S2]の主要部分を完了したことになると考えられる．
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| Causes of Carryover |
当該年度では，段階[S1][S2][S3]の全てに共通する回路とエネルギー源について，モデリングと実験装置の改造を部分的に実施した．回路に関して，Ｂ：従来研究のパラレル回路と置換することが可能なタンデム回路の実現を実施するための改造費の一部（流量センサの物品費，油圧ポンプ改造外注加工費）が当初計画よりも減少した．一方で，エネルギー源に関して，Ｃ：特異摂動したポートハミルトン系としてのベルヌーイ則に対するモデリングを部分的に実施するため（ディスカッションのため）の出張費が当初計画よりもわずかに増加した．以上から，改造費の一部が減少したことを主因として当初計画よりも次年度使用額が生じた．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
Ｃ：特異摂動したポートハミルトン系としてのベルヌーイ則に対するモデリングを部分的に実施するため（ディスカッションのため）の出張費として次年度使用額とH27年度請求分と合わせて使用する計画である．
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