2016 Fiscal Year Annual Research Report
New modeling, fast dynamics simulation, and total energy control of N-DOF hydraulic arms
Project/Area Number |
26420173
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
酒井 悟 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (90400811)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 油圧 / 機械システム / モデリング / 制御 / 動力学 / シミュレーション / 油圧ロボット / 力制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
[S1] 全身の高速計算モデルの構築に関して,状態空間における厳密な簡単化の改良だけではなく,パラメータ空間における厳密な簡単化(パラメータ構造を保存する特殊な無次元化),および両者の組み合わせを提案して,順動力学計算の大幅な高速化(低周波から高周波までの平均計算時間は本研究開始時点で55.2%,現時点で6.8%)が達成されることを実験的に示した.成果の一部は国際会議論文に発表予定である.同時に,提案した特殊な無次元化については,最も単純な並進1自由度の場合における入出力関係の可視化手法として,国際学術雑誌に発表予定(投稿済)である. 提案モデル(高速計算モデル)はオフライン同定だけでなくオンライン同定とも接続可能であり,故障診断(異常気泡のオンライン検出)を達成することも実験的に示した.さらに,提案モデルと実験機との整合性を高めるため,産業界のルックアップテーブル法を精緻化して,行列空間上の最適化に基づく摩擦モデルと流量モデルの構築法を提案して,有効性(FIT率50%程度)を実験機(模型7MPa, 実物10MPa)を用いて数値的または実験的に示した. 提案モデルと行列空間上の摩擦モデルと流量モデルは接続可能であるため,従来モデル(教科書モデル)と比較すれば,計算時間と計算精度の両面で優位なモデル構築手法を確立できたと考えられる([S2]の機構解析における反覆計算の高速化と高精度化を意味する). [S3] 全エネルギーの観点からの制御器設計に関して,ロッド圧とキャップ圧の和(和圧)の動特性と厳密に独立した低次元モデルを提案して,摩擦と外部漏れを抑制する位置制御器を設計して,有効性を実験機(7MPa)を用いて数値的に示した.さらに目標力へ指数収束を達成する力制御器を設計して,有効性を数値的かつ実験的に示した. 低次元モデルの汎用性は高く,十分に実用的速度で収束する制御器設計法が確立できたと考えられる.
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