2014 Fiscal Year Research-status Report
履歴復元力特性を有する多入力配管系の地震時の最大応答量推定に関する研究
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26420175
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
曽根 彰 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20197015)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地震 / 多入力 / 配管系 / 弾塑性 / バイリニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,多入力非線形系の簡便な最大加速度応答の推定式を提案するための基礎研究として,異入力間の相関係数に着目し,それが多入力非線形系の応答に与える影響を2入力1質点系モデルを用いた数値シミュレーションにより以下のように明らかにした. (1)非線形配管系システムの最大応答は,2入力間の相関係数に基づいて計算することができる.しかし,これらの値は,相関係数の大きさに依存していない.(2)弾塑性特性の非線形性は,配管系の絶対加速度応答だけでなく,相対速度及び変位応答の応答低減効果を有する.(3)シミュレーション結果と統計的線形化法に基づいた理論の結果との比較から,その弾塑性特性による応答低減係数がほぼ一定値となることがわかった.また,これらの値は弾塑性特性の増加に伴って大きくなる. 次に,配管系の最大加速度応答量を推定する加算式として,復元力特性による応答低減係数を不規則振動論に基づく等価線形化手法により求められる等価固有振動数と等価減衰比を用いて表すことを考えた.すなわち,以下のように2入力非線形配管系の最大加速度応答量の加算を行う.各入力からの線形配管系の最大加速度応答量が与えられたと想定する.その時,各入力の線形配管系の最大加速度応答量と入力間の相関係数により,2入力非線形配管系の最大加速度の推定を同様に行った.しかしながら,本手法による結果は,非線形性が大きくなるにつれて,その推定精度が悪化することが分かった.今後は,この結果を踏まえ,さらに推定精度が向上する方法を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で記述したように,加算式による推定精度が思っていた以上悪化したため,今後,若干の再検討をすることになった.
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Strategy for Future Research Activity |
・履歴復元力特性を有する2入力1質点系配管モデルによる振動実験 この研究では,実験室レベルでの加振実験,相関2入力を受ける摩擦を有する配管系モデルの応答特性を調べ,加算法の検討を行う. ・加算式の検証と非線形特性および入力間の相関性が応答に与える影響の検討 まず,各入力加振ごとで得られる線形配管系モデルでの中央部の単一最大加速度量と低減係数により求められる最大加速度量と非線形配管系モデルでの中央部の単一最大加速度量を比較検討する,さらに,各入力加振ごとで得られる線形配管系モデルでの中央部の単一最大加速度量と低減係数により求められる最大加速度量を用いて,ABS法,SRSS法および本加算法により計算し,その結果を2入力同時加振結果より測定した最大加速度応答量と比較検討する.さらに,非線形特性と2入力間の相関特性が加算結果に対して与える影響などを検討する.
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Causes of Carryover |
平成26年度はほとんど旅費に当てたが,さらなる,その他,旅費での使用がなかったので,残額6500円を繰り越しにした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,実験を行うために,色々な経費が必要になる.そのため,残額は実験装置の材料費等に使用する計画である.
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Research Products
(1 results)