2014 Fiscal Year Research-status Report
冬季オリンピックでのメダル獲得を目標とする競技用スキーブーツの開発
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26420191
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 聡一郎 北見工業大学, 工学部, 教授 (30250541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴野 純一 北見工業大学, 工学部, 教授 (60206141)
星野 洋平 北見工業大学, 工学部, 准教授 (90374579)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スキーブーツ / フットベッド / 内傾角速度 / 滑降タイム / 軸状パーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アルペンスキー競技における成績向上に最も重要となる、新たな発想に基づくスキーブーツを開発する。そして本邦を代表するスキー競技選手がこのブーツを使用し、2018年にアジアの隣国である韓国で開催される平昌冬季オリンピックで、62年ぶりとなるメダル獲得の実現を目指す。この結果、積雪寒冷地域の冬季生涯スポーツとしてレジャースキーの再興と普及を促進し減少著しいスキー人口の回復に貢献する。さらに高齢化が進む地域社会と、低迷が続くスキー用品市場の活性化に貢献する。 当該年度は、「スキーブーツ用フットベッドの詳細設計」を実施するとした。フットべッドとはブーツシェルとインナーブーツの間に挿入する中敷き部材である。先行研究において、フットベッドの底面に三角形断面の軸状パーツを長手方向に装着すると、選手のターン動作時にフットベッドのロール運動が誘発され、選手の内傾角速度が向上し、滑降タイムが短縮されることを室内傾倒バランス実験とODE(Open Dynamics Engine)による数値シミュレーションの両面から明らかにし、特許化した。実際の雪上滑降ではターン速度が非常に大きいため、選手から受ける荷重が大きく、さらに安定性も重要視されることから、軸状パーツの設計を最適化する必要があると予想された。そこで当該年度はパーツ形状を含めた設計について実験と解析の両面から最適化を図ることとした。その結果、フットベッドの弾性変形によりロール効果が低減することを明らかにし、その低減を防ぐため、三角形断面の斜辺には曲率が必要であることを示した。さらに、安定したロール効果を維持するため、パーツの肉厚をトゥからヒール方向に減少させる設計が望ましいとこを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スキー選手の内傾角速度を向上するフットベッドの底面に装着するパーツの設計について検討した結果、実際の雪上滑降でも角速度の向上効果が認められる断面形状と肉厚設計を明らかにすることができた。このことから、当該年度の研究目標はほぼ達成できたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は可動式フットベッドの効果について、より多くの被験者による実験を実施し、選手の特徴に適合するパーツ設計を明らかにする。さらにこの効果を最大限に活用するため、研究協力者である㈱レクザムスポーツ事業部の協力を得て、「スキーブーツの試作と改良」を実施する。最終的には選手個々の骨格的特徴に適合したブーツシェルの設計を明らかにし、総合的な適合性を評価したうえで、実際の国際レースで選手に使用させていく。
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Research Products
(4 results)