2014 Fiscal Year Research-status Report
形状記憶ゲルの軟化・硬化により超変形する生活支援スマート柔軟ロボットハンドの研究
Project/Area Number |
26420192
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山野 光裕 山形大学, 理工学研究科, 助教 (70323178)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロボットハンド / 形状記憶ゲル / ソフトロボティクス / ロボット制御 / 柔軟物制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,形状記憶ゲルを素材とし,形状と柔軟性を自在に変化させることができるロボットハンドを開発し,生活環境内での様々な用途に利用できるようにすることを目的としている.本年度は,主にロボットハンド変形システムと形状記憶ゲル製ロボットハンドの開発を行った. ロボットハンド変形システムについては,形状記憶ゲル製のロボットハンドを軟化させ,変形させた後,硬化させるため,プレス機のように挟みつけて変形させるシステムを開発した.このシステムは,直動機構と複数の金型を持ち,加熱により軟化したロボットハンドを金型で挟みつけて変形させ,そのまま冷却して硬化させるものである.このシステムを用い,ロボットハンドを平面状からスプーン状やフォーク状など,3種類の形状に変形可能であることを実験により確認した. 形状記憶ゲル製ロボットハンドについては,これまでの実験の経験に基づき,改良型を開発した.従来型では,1枚の板状の形状記憶ゲルに切れ込みを入れたものを初期形状として利用していたが,改良型では複数枚の板状の形状記憶ゲルを組み合わせた構造とした.形状記憶ゲルの形状や配置を工夫し,従来型よりも変形の可動範囲が大幅に広がり,3次元的な変形も行いやすくなるように設計した. 今後,改良型ロボットハンドを用いた基礎実験を行い,有効性を確かめる予定である.さらに,ロボットアームやセンサ等も併用した応用的な制御実験も行う予定である.本年度は,今後の実験のための実験システムの一部についても整備した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
形状記憶ゲル製のロボットハンドと変形装置を開発することが出来た. ロボットハンドの加熱方法を当初の計画から変更し,変形方法についても一部変更したが,開発した変形装置を使った実験を行い,ロボットハンドをフォーク状やスプーン状等にに変形させることもできた. 計画していた変形形状のうち未確認の形状もあるが,おおむね目標どおりの変形を行えるシステムを開発できた. 改良型ロボットハンドを用いた制御実験は未実施であるが,本研究の計画では,本年度は主に設計・開発を行い,制御実験は主に次年度以降に行う予定であったので,おおむね順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,当初の計画に沿って,ロボットハンドの変形等のための制御に重点を置いて取り組む.ただし,これまでにロボットハンドの形状を当初予定の形状から改良し,変形装置や変形方法についても,新たな課題が明らかになった部分もあるので,必要に応じて変形装置や変形方法についても,変更や改良を行いながら進めていく.
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