2014 Fiscal Year Research-status Report
細径空気圧人工筋を集積したタコの筋構造模倣ソフトメカニズム
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26420199
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
脇元 修一 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (40452560)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソフトメカニズム / 柔軟マニピュレータ / 人工筋 / 空気圧アクチュエータ / 生物模倣機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格を有しない生物や生物の器官を模倣した柔らかい機構(ソフトメカニズム)は,機械的な高い安全性,滑らかで連続的な動作性といった従来の剛体リンクやアクチュエータからなるメカニズムとは異なる特長を有する. これまでにソフトメカニズムを実現する機素として空気圧によって収縮変位を発生する細径のMcKibben型人工筋を開発してきた.本研究ではタコの腕の筋肉配置を参考にし,直径1.8mmの細径McKibben型人工筋を集積したタコ腕模倣メカニズムの開発を実施している. 本年度はそのプロトタイプの開発を行った.開発したタコ腕模倣メカニズムでは軸方向・径方向・斜方向に32本の細径McKibben型人工筋が配置されている.各々の人工筋肉を個別に,あるいは複数の人工筋肉を同時に駆動することで湾曲・収縮・ねじり・剛性変化の各機能を実現できることを確認した. また,これと並行して人工筋肉の簡易なシミュレーション手法に関する検討を実施した.人工筋肉は空気圧を受圧するゴムチューブと特定の角度で編みこまれた繊維から構成される.また,高い非線形性を有し,さらに大変形が生じるため,一般にそのシミュレーションは容易ではなく簡易なシミュレーション手法の実現はソフトメカニズムの設計において高い有用性を持つ.本研究では,有限要素法解析において異方性弾性をもつ材料を定義することで繊維の導入が不要な人工筋モデルを構築した.解析の結果,McKibben型人工筋と同様に径方向への膨張と軸方向への収縮変位が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りタコ腕の模倣メカニズムのプロトタイプを実現しており,さらにその基礎特性を実験的に明らかにすることができた.また,有限要素法解析おいて簡易モデルによる人工筋の解析が可能となった. 以上より,おおむね当初計画どおりに進展したといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
開発したプロトタイプをベースとし,人工筋の配置を改善することで新たな柔軟マニピュレータ用のユニットを開発を実施する.この駆動特性をこれまでに開発したプロトタイプと比較する. また,ユニットを複数個,連結することで実際のタスクが可能なマニピュレータに拡張し物体のハンドリング性能などの機能について実験的に検証を行う.
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Causes of Carryover |
細径McKibben型人工筋の製作において複数回の製作を考慮していたが、初回に製作した人工筋がプロトタイプのメカニズムを製作するには十分な性能を有していたため次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
メカニズムの改良に際して人工筋の改良・追加製作の費用、および空気圧制御システムの改良の費用として使用する計画である。
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