2015 Fiscal Year Research-status Report
橋梁検査を目的とする多段連結ヘリコプターシステムの開発
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26420203
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
今津 篤志 大阪市立大学, 工学研究科, 講師 (80440246)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マルチコプター / ヘリコプター / 有線給電 / 連結 / 制御 / 配置計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は地上局と中継ヘリコプター、先端ヘリコプターの3者が鉛直な同一平面にある2機のヘリコプターシステムの定式化と飛行実験を行った。H27年度はそれに2つの拡張を行った。 まず3者が同一平面上に無い3次元的な配置となる場合の定式化を行った。3次元的な配置の活用事例として、屋内で地上局の位置からみて廊下の角を曲がった先に先端ヘリコプターが到達するようなタスクを想定して、最適飛行配置計画と実験を行った。このタスクの解析の結果、中継ヘリコプターの水平位置は廊下の角に位置する直感的な配置が最適解としても得られ、中継ヘリコプターの高さとケーブル長さが最適化された。地上局と中継ヘリコプター、先端ヘリコプターが直線上に並ぶ場合は、中継ヘリコプターにそれぞれのケーブルから加わる水平方向の力が相殺する形となっていたが、水平方向に曲がると相殺が無くなるため、より中継ヘリコプターの推力が必要となる。そのため中継ヘリコプターの負荷が低減されるように中継ヘリコプターが先端ヘリコプターよりも低い位置となる配置が得られた。 実験では、先端ヘリコプターが廊下を曲がった先に到達することを確認できたが、モーションキャプチャシステムの配置の問題と中継ヘリコプターの推力不足のため、それぞれのケーブルが2m程度の長さの実験を行うことしかできなかった。 また2機以上の中継ヘリコプターを用い、先端ヘリコプターと併せて合計3機以上の解析を行うプログラムを作成した。これにより、柱を回り込むような複雑なタスクが表現できるようになった。実際の使用に即した条件での解析は次年度に行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度に行う予定であった解析については、おおむね予定通りに進めることができた。解析条件を増やす必要はあると考えているが、特に問題は無いと予想している。 一方、屋外実験を行う予定であったが、実施できていない。屋外ではモーションキャプチャシステムが使用できないため、RTK-GPSや画像SLAM等を検討したが、十分な精度と更新周期を得ることができなかったためである。 また地上局から中継ヘリコプターまでのケーブルは、中継ヘリコプターと先端ヘリコプターの両方の電力を供給する必要があるため、ケーブルが太くなってしまう問題があり、中継機の出力不足も問題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、中継ヘリコプターの推力不足を解消するために、1kg可搬サイズのヘリコプターを作成中である。これによって、より長距離の実験を行うことができると共に、LaserRangeセンサを搭載してLaserRangeSLAMを行うことができるようになる。また、昨年度、開発が十分に進まなかった画像SLAMについても、カメラを複数台搭載して単眼SLAMからステレオ視SLAMにすることによって問題を単純化し、引き続き開発を進める。 これらの開発によって、屋外で実験ができるようになると考えている。 また、LaserRangeSLAMが十分に行えなかった場合に備えて、人間による操縦も念頭に置いた開発を行う。
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Causes of Carryover |
端数を無駄にしないため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験のための消耗品(プロペラ、モータアンプ)の購入に用いる
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