2014 Fiscal Year Research-status Report
近赤外・中赤外領域アクロマティック・ベクトルビームの制御
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26420205
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
若山 俊隆 埼玉医科大学, 保健医療学部, 准教授 (90438862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東口 武史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80336289)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ベクトルビーム / ラジアル偏光 |
Outline of Annual Research Achievements |
近・中赤外領域アクロマティック・ベクトルビームを生成するために,ZnSe結晶を用いた近・中赤外域アクロマティック軸対称波長板を設計した。設計・開発された赤外域アクロマティック軸対称波長板を回転1/4波長板法を使ってその出射光の偏光状態をストークスパラメータおよび楕円率、主軸を使って評価した。この評価実験では、ベクトルビームの中でもその集光特性が特異なラジアル偏光を発生させた。これをレンズで集光させて、空間伝搬による偏光の3D解析を実験的に行った。集光位置ではガウス上のビームが得られた。その時の偏光状態もラジアル偏光を維持していることを明らかにした。この偏光特性評価実験と共にラジアル偏光の位相特性もマッハツェンダー干渉計から評価した。ここでは幾何学的位相に基づいた回転1/2波長板による位相シフト法を新たに提案し、ラジアル偏光の位相分布を求めた。取得されたビームはスパイラル位相となっていることが明らかになった。さらに、入力に対する出力光強度特性を取得した。取得されたデータから、ZnSe結晶を用いた近・中赤外域アクロマティック軸対称波長板は60%近くの透過率強度を持っていることが明らかになった。透過率を向上させるためには波長板の光路長をもう少し考慮することで透過率を上げることが可能になると考えられる。 現在は、上述した実験と共にスパイラル位相をもたない等位相のラジアル偏光を生成させる光学素子の設計に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画である「近・中赤外域アクロマティック軸対称波長板の開発」および「ベクトルビームの検証」までが順調に行われており、光学素子の定量評価も実行されているため、「(2)概ね順調に進展している。」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度までに内部フレネル反射に基づいた軸対称波長板の基礎特性を押さえることができた。今後は新たに生まれたスパイラル位相をもたないラジアル偏光を生成する光学素子の研究開発を進めることで、縦電場や縦磁場の生成が可能になると考えられる。平成26年度に得られた結果と共に比較しながら、新たな光学素子から近・中赤外域アクロマティックベクトルビームの制御実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究当初、CO2レーザーを購入する予定であったが、共同研究者がもっているレーザーを使って実験することになったため、購入を見送ることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究開発するうちに近・中赤外域アクロマティック・ベクトルビームを生成する新たな光学素子の可能性を見出したので、この光学素子の製造費に使用していくことを計画している。
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