2015 Fiscal Year Research-status Report
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26420216
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
河村 良行 福岡工業大学, 工学部, 教授 (90167362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野 仁 福岡工業大学, 工学部, 教授 (50293816)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 追尾 / 制御 / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、衛星追尾装置の追尾性能の向上を図った。まず最初に、CCDカメラで追尾対象物の位置を取得し、その情報をもとに望遠鏡が設置された経緯台の垂直軸及び水平軸の角度制御を行う場合、大きなハンチング現象(目標値の付近で振動が発生し目標値に収束しない現象)を示し、目標の追尾性能が得られないという問題に直面した。ハンチングの原因として、回転主軸のウォームギア部での機械的摩擦により、制御系が非線形になっていることが疑われたので、この制御系を力学的にモデル化し簡単な計算機シミュレーションを行い、ハンチングの現象を再現することを行った。このシュミレーションを通して、直流モーターを電流制御するのではなく電圧制御することにより摩擦力を含む非線形系であっても、ハンチングを抑えることが出来ることがわかったので、実機においても電流制御から電圧制御に変更した。その結果ほぼ完全にハンチングを抑えることが出来、振動の無い安定な追尾が出来るようになった。ISS(国際宇宙ステーション)の追尾観測を何度か試みたが、本年度の冬場は天候の悪い日が多く、十分な観測日を確保できなかった。これに変えて、福岡空港に着陸する旅客機が、実験室近くのベランダから西方約10km所を頻繁に飛んでゆくので、これを追尾対象として実験を行った。この旅客機の見かけの飛行速度はISSとほぼ同じである。焦点距離1200mm、口径250mmの望遠鏡を追尾装置に搭載し、ディジタルカメラで追尾対象物(飛行機)の画像を取り解析した結果、望遠鏡鏡筒の機械的振動に起因する微小な振動は残るものの、ハンチングによる振動は見られず、ほぼ初期の目的とする追尾性能を達成したことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追尾装置のフィードバック制御系で発生するハンチング現象の原因を究明し、その原因を取り除くことに成功したので。
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Strategy for Future Research Activity |
①追尾性能の向上。特に追尾速度の高速化。
②ISS(国際宇宙ステーション)を対象とした追尾実験の実施。
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Causes of Carryover |
冬季の天候不順により雨天の日が続き、屋外でのISS観測の回数が少なかったため、消耗品の購入が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、ISSの観測を秋口から開始し、観測機会を確保し、前年度の繰越金を使用したい。
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Research Products
(1 results)