2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420221
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
里 周二 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10215759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 吉史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40415112)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 開閉インパルス電圧波形 / 高インピーダンス負荷用校正器 / 低インピーダンス負荷用校正器 / 半導体スイッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
ソフトウェア:IEC 61083-2のTDGで発生される開閉インパルス電圧波形データから波形パラメータ(波高値,波頭長,波尾長,振動周波数)を抽出するプログラムを開発した。既に,標準雷インパルス電圧波形データに対処したソフトウェアの開発を済ませているので,そのソースコードを土台として製作した。開発の段階で,任意の回路定数が与えられた場合の出力波形を半解析的に計算する手法を考案し,学会発表を行った。半解析的というのは素子の数値から出力を記述する関数を導き出しと言うことを意味し,その関数が変数としてCやRを持っていることではなく,それらの値から一意的に定まる数値を関数の定数として持つことである。いうまでも無く,出力波形が離散的に計算される,いわゆるシミュレータではない。
高インピーダンス負荷用開閉インパルス校正器:同時に,高インピーダンス負荷用校正器を製作した。発生波形のディジタル・レコーダ記録を,同時進行で進んでいるソフトウェアで処理し,波形パラメータが正しく計算されているか確認した。製作された高インピーダンス負荷用校正器の入力電圧は最大250V(正)であり,負極性出力波形のピーク値は約89%の効率で決定される。即ち,最大充電電圧の状況下では250x0.89=223Vとなる。 出力波形はディジタル・レコーダRTO1022(0.1ns Sampling, 2CH)用に開発された波形パラメータ同定プログラムにより,波形データはディジタル・レコーダからPCに転送され,PC内で波形パラメータが計算され,PC画面上に数値及び波形が表示される。一連の作業は自動でかつインターネットを介して行うことができるため,物理的にはどんな遠隔地で波形が発生されていても,データ収集,解析は別の場所で行うことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
発生回路の素子定数から半解析的に出力波形を決定するアルゴリズムを開発したのは,偶然とは言え,予定外の収穫であった。
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Strategy for Future Research Activity |
制動容量型分圧器の試作:研究提案者は,これまでの研究で,高圧部に周波数性能に優れたマイカコンデンサを使うことにより,基準分圧器としての性能を有する分圧器を製作している。しかし,マイカコンデンサの耐圧が原因となり,最高測定電圧は10kVと低いものであった。今回はマイカコンデンサに代えて,小型・高耐圧のポリプロピレン・コンデンサで最高測定電圧200kVの分圧器を製作し,波尾振動性波形の測定に使う。この時点で,プロトタイプとしての制動容量型分圧器の性能回路定数についての概容は決定されていることになる 低インピーダンス負荷用開閉インパルス校正器:低インピーダンス負荷用校正器の中心をなすものは,主コンデンサとスイッチング素子である。今回の校正器では素子の残留インダクタンスは大きな問題とならないので,マイカに代えてポリプロピレン・コンデンサ可能であることを明らかにしたい。また,スイッチング素子は水銀リレーに代えて,MOSFETの超並列を使うことにより寿命が大幅に改善することを各確認したい。研究の進行が計画通り進まない場合は,分圧器性能に大きく貢献しないMOSFETの超並列の研究をスキップする。
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Causes of Carryover |
端数が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費に充てる。
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