2014 Fiscal Year Research-status Report
電力変換器の詳細なモデル化に基づく高性能モーションコントロールシステムの研究開発
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26420222
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
名取 賢二 千葉大学, 大学院工学研究科, 助教 (70545607)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パワーエレクトロニクス / モーションコントロール / 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究課題の基盤技術と位置づけている電力変換器のモデル化および解析手法についての検討と、マルチレベル電力変換器を用いたモーションコントロール実験による、モーションコントロールシステムの性能に電力変換器が及ぼす影響についての検討を重点的におこなった。 まず、電力変換器のモデル化および解析手法の検討については、従来から進めていた手法に加えて、より解析を行いやすいモデルについて検討した。また、そのモデルを用いて、モーションコントロールシステムの性能に電力変換器の性能がどのように影響を及ぼすかについて理論的に検討した。モーションコントロールシステムの研究においては、電力変換器は理想的な動作をすると仮定した上で制御系設計をすることが一般的であるため、通常はこのような検討はおこなわれないが、本研究のように電力変換器の詳細なモデルを考慮することによって、電力変換器を含めたモーションコントロールシステム全体のさらなる性能向上が期待できる。 次に、マルチレベル電力変換器を用いたモーションコントロール実験による電力変換器の影響の検討については、通常の2レベル電力変換器と9レベル電力変換器を用いた場合について比較検討した。具体的には、それぞれの場合について、モータ電流とモータ位置がどのような応答を示すかについて数種類の指令値を入力して比較検討をおこなった。結果として、モータ電流の応答においては、マルチレベル電力変換器の導入によって電流リプルを大幅に抑制できることがわかった。また、モータ位置の応答においては、マルチレベル電力変換器を用いることで、位置応答のノイズを軽減できることが確認された。このように、マルチレベル電力変換器を用いたモーションコントロール実験により、電力変換器の性能がモーションコントロールシステム全体の性能に及ぼす影響を実験的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的としていた研究開発についてはほぼ予定通り研究成果を出すことができた。また、それらを進める過程で新たに検討すべき研究開発項目の着想に至り、その項目についても検討を進めることができたため、おおむね順調に進展していると考えることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、現状では当初計画通りに進展していると考えられるため、今後も当初の予定通り進める予定である。また、「現在までの達成度」において述べた通り、新たに着想に至った研究開発項目についても検討を進めているため、順調に進行すれば当初の予定を上回る成果が得られると考えている。
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Research Products
(1 results)