2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on averaging effect and instability phenomenon of fast demand response control for widely-distributed building air-conditioners
Project/Area Number |
26420226
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
蜷川 忠三 岐阜大学, 工学部, 教授 (80630821)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビル空調 / デマンドレスポンス |
Outline of Annual Research Achievements |
我国のオフィスビル空調として普及しているビルマルチパッケージエアコンの消費電力を数分オーダーで大量に制御することで,電力系統の需給バランス制御の一翼を担う可能性を研究した。ビルマルチ空調設備群の消費電力を抑制するクラウドサービスである,高速デマンドレスポンス(Fast Automated Demand Response:FastADR)により,電力系統の負荷周波数制御例をコンピューターシミュレーションにより検討した。(電気学会論文誌に掲載)。瞬時需給バランスが逼迫した場合の系統周波数制御としては,中央給電指令所から対応可能な火力発電所に対して調整信号を送り閉ループ制御をしている。本研究ではこの火力発電機による系統周波数調整機能の一部をビルマルチ空調設備の電力需要を閉ループ制御することで等価的に実現する「仮想発電所」の可能性を示すことができた。 ビルマルチ空調設備はインバータ冷媒圧縮機の消費電力が全体の約9割を占めるが,電力制限指令に対してインバータが定率に加速原則するため応答動特性は定率増減である。また,加速と減速ではその変化速度が起きく異なるため,従来研究のように1次遅れなどの単純なモデルでは表現できない。本研究では非対称定率増減伝達関数を開発して,実際のオフィスビル時系列データから伝達関数を大量にシステム同定した。 電力系統全体の瞬時需給バランスによる系統周波数制御のシミュレーションモデルとしては,火力発電機9基,大規模メガソーラー群,一般需要からなる系統負荷周波数制御(Load Frequency Control:LFC)モデルとした。ビルマルチ空調設備群のFastADRにより数分刻みで電力制限のフィードバック制御により,LFC火力群の調整代を使い果たした場合でも周波数の変化を期待範囲内に制御可能である例を示すことができた。
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