2015 Fiscal Year Research-status Report
高効率電磁界解析のための新しい均質化法の開発と応用
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26420233
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
美舩 健 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20362460)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電磁界解析 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、本研究で開発に取り組む均質化法に関して、 (a) マルチグリッド法との連携による高速解析手法 (b) 解析対象が異方性媒質を含む場合への応用 の2つのテーマについて研究を進めた。それぞれの具体的な内容を以下に記述する。 (a) 前年度までの研究で確立した均質化手法を用いることにより構造型メッシュを用いた高精度電磁界解析が可能になるため、さらに構造型メッシュと親和性の高いマルチグリッド法を応用することで解析の飛躍的な高速化が期待できる。ただし,不整合メッシュを含む有限要素解析においてマルチグリッド法を応用する場合、マルチグリッド法で用いられる複数グリッド間の写像行列について標準的な作成法を用いるのでは、反復求解の加速効果を十分に得ることができない。平成27年度の研究では、不整合メッシュ中の電磁界諸量の振る舞いについて考察することにより,マルチグリッド法と均質化法とを連携するための新しい写像行列の作成法を開発し,2次元静磁界解析の例題についてその有効性を確かめた。 (b) 解析対象が異方性媒質を含む場合、等方性媒質を前提として導出した均質化法の理論をそのまま使用することはできない。平成27年度には,等方性媒質の場合の理論に修正を加えつつ再構築することで、異方性媒質を含む場合の均質化法の理論を確立した。異方性媒質を含むテスト解析について等方性媒質の問題と同様の理想的な精度向上効果が得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の主要テーマについて研究を遂行し、比較的困難が大きいと予想されたテーマについても良好な研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度には、本課題で取り組む均質化法の(a) 異方性・非線形性を含む実用問題への応用 (b) ボクセル有限要素解析への応用について研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたコンパイラの更新の緊急性が低下したことから,平成27年度中の購入を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度における国際会議発表の回数が予定より増加する見込みであるため、国際会議旅費として活用する予定である。
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