2014 Fiscal Year Research-status Report
焼酎粕を原料とする表面装飾カーボンの調製及び蓄電池材料へのインテグレーション
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26420240
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
田島 大輔 宮崎大学, IR推進機構, 研究員 (10531452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 誠治 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00363739)
福間 眞澄 松江工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (70228930)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 焼酎粕 / 電気二重層キャパシタ / 電極材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は焼酎粕を原料とする活性炭の基本的な物性把握を行った。実験では、原料の濾過・乾燥・炭化・賦活工程において、酒造メーカーから大量に発生した焼酎粕を原料に用いて、水酸化カリウム及び二酸化炭素を賦活剤とした二段階賦活処理による細孔制御の検討とカルボキシル基量の制御指針を見出し、炭化・賦活工程へのフィードバックについて検討した。また、基本的物性の把握として、焼酎粕の熱分析(TG/DTA: Thermo gravimetry/Differential thermal analysis)による熱分解温度の特定、比表面積及び細孔径分布の測定、走査型電子顕微鏡による活性炭の表面観察を行った。 これらの成果は電気二重層キャパシタ開発の課題となっている低エネルギー密度を克服し、飛躍的なエネルギー密度向上を目指すための基礎を得るものであり、次年度以降、電気二重層キャパシタ用電極材料として性能の良い、コストパフォーマンスに優れた材料を開発するための指標となるうる。 さらに研究が進めば、廃棄物である焼酎粕から蓄電池を生産することができ、一般家庭で普及が進んでいる太陽光発電に国内産蓄電池を付加することができれば、停電時などの非常用電源として活用することもできる。今後は蓄電メーカーとの研究データの共有により実用化へ向けて、負荷応答性の検証、耐久性能の評価、安全性・信頼性の検証も実施していくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で開発する電気二重層キャパシタの目標性能として、静電容量150 F/g及びエネルギー密度30 Wh/kgとしているが、比表面積2000 m2/g以上の材料を作製することに成功し、さらなる製造条件の最適化により静電容量及びエネルギー密度の目標値達成が可能である。その理由として研究代表者及び研究分担者が協力して研究を行い、目標達成へ向けて実験及びデータ採取を行っていたからである。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに研究を進めるために、実験データの共有化、意見交換の場を多く提供していく必要がある。
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Causes of Carryover |
平成26年度に他大学への異動が決まってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年初めに新しく実験系の確立を行うため、備品購入を予定している。その他、前年度での研究成果を学会で発表する予定である。
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