2015 Fiscal Year Research-status Report
誘導加熱を利用した省エネルギー型無着霜熱交換器の開発
Project/Area Number |
26420255
|
Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
中尾 一成 福井工業大学, 工学部, 教授 (50586469)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 誘導加熱 / 除霜 / 熱物質移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は前年度に引き続き、原理実証試験装置の改良と原理実証実験を行った。改良は従来の逆サイクルを模擬して、温熱ブラインの循環系を追加整備した。また、電気系のインピーダンス測定による電力分配率を把握するための実験、誘導加熱による冷凍空調用熱交換器の加熱実験さらには、低温環境試験室で熱交換器に約250gの着霜をさせた後の除霜(デフロスト)実験を行った。以下にその概要について述べる。 (1)インピーダンス測定による電力分配把握のための実験に関しては24巻コイルをコイルと熱交換器フィン間の距離Sを0.25cmにて設置した場合、縦置き(熱交換器のフィンの向きとコイルの長手方向が平行)が83.3%, 横置きが77.3%、また、20巻コイルの場合も縦置きが71.3%,横置きが56.1%と縦置きの場合の加熱効率が大きいことが分かった。また、コイルの巻き数が大きいほど、熱交換器との距離Sが小さいほど加熱効率が大きい。24巻コイル、S=0.25cmで縦置きの場合、最大加熱効率を示すことが分かった。 (2)誘導加熱による熱交換器加熱実験に関してはインピーダンス測定実験と同様なパラメータで実験を行い、24巻き、S=0.25cm、縦置きの場合の熱交換器の表面温度上昇が最も大きいことが分かった。また、鎖交する磁束が大きい熱交換器上部の温度上昇が顕著であった。 (3)誘導加熱による除霜実験に関しては低温環境試験室の室温-3℃下で熱交換器表面に約250g着霜する。この着霜量にて電気入力100W入力(熱交換器にて約50W加熱)の条件下での除霜実験を行った。結果、加熱後17分で熱交換器の前面側(コイル装着側)の霜を、30分で背面側の霜を全て除霜できることを確認し、誘導加熱による熱交換器の除霜が可能であることを立証した。これら事実から誘導加熱システムへの電気入力1000Wにて3分程度で除霜可能と言え、実用に給しうる可能性を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置の立ち上げ、改良に時間を要していることもあり、熱・流体系における誘導加熱を考慮した熱・物質移動モデルの構築が遅れているためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
低温環境試験室の改良を含めてほぼ試験装置が構築された。誘導加熱除霜時における熱物質移動モデル構築のために、除霜実験検証を行いモデルの作成、確立を早急に行う予定である。
|
Causes of Carryover |
ほぼ予定通り予算を執行した。数千円程度の物品費が余ったが研究遂行に支障をきたすことはなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越の物品費を平成28年度における実証試験のための部品購入に計上したい。
|