2015 Fiscal Year Research-status Report
ウィンドファームにおける雷撃様相とそれが各風車の雷被害様相に与える影響
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26420256
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山本 和男 中部大学, 工学部, 准教授 (50332052)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 雷 / 風力発電システム / 雷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,入善風力発電所に電界アンテナ(風力発電システムに落ちた雷から放射される電界を記録することにより風車に雷撃があったことを検出する装置)とロゴスキーコイル(風力発電発電システムに雷撃があったことをロゴスキーコイルを用いて検出する装置)を用いて風車への雷撃を間接的・直接的に検出する装置を設置した。その後,27年度の冬に計測器の微調整をしつつ計測を開始し,1ケース両方の装置で観測することができた。そのデータを検証し,直接的な計測だけでなく,間接的な計測(風車から離れた位置における雷電流の遠隔観測)を行う技術を確立しようとしている。 27年度は,入善風力発電所だけではなく,八竜風力発電所においてもロゴスキーコイルを用いたシステムを設置しており,2つのサイトで雷撃と故障との因果関係を解明する試みをしている。 27年度の冬も何度か風車がトリップし停止したケースがあり,風車がトリップ・故障したケースにおいてその時の雷撃データを上記計測システムで取得することができれば,風車への雷撃と故障との関係を明らかにできると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究業績の概要でもその一部を説明したが,遠隔で間接的な方法により雷撃の計測を試みるシステムと風車近傍で直接的な方法により雷撃を計測するシステムを確立できた。計測レベルの調整(遠隔測定システムの方に信号レベルを下げるアッテネータを昨年の秋挿入した)も思いの外うまくいき,もう既に両方の計測器で1つの雷撃を計測することができている。現在,その波形の検証を行っており,現状,この計測レベルのまま,来年の冬も計測を続けることを計画している。27年度はそれほど雷が多くなかったため(ただ,幾つか計測器の調整前に,風車で故障が発生したにもかかわらず雷撃データが取れなかったケースはあった),1ケースのデータしか取得できなかったが,28年度は雷撃データ・故障データのセットが入善,八竜の両方で数ケース計測できるよう調整する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,今一度計測器のトリガレベル調整が必要かどうかをこの夏に確認し,冬季雷シーズン(10月から3月)に備える予定である。上記の「現在までの進捗状況」でも少し触れたように,27年度はそれほど雷が多くなかったため(ただ,幾つか計測器の調整前に,風車で故障が発生したにもかかわらず雷撃データが取れなかったケースはあった),1ケースのデータしか取得できなかった。28年度は雷撃データ・故障データのセットが数ケース計測できるよう準備を進め,風力発電システムにおける雷撃と故障との関係を解明するデータが取得できるようにする。
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Causes of Carryover |
冬季の機器のトリガレベルの調整が思いの外うまくいき,予定していた調整費用が少額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き,トリガレベルの調整など,機器の調整は今年も予定されており,その費用に充てる予定である。
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