2016 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetic films electroplated in a deep-eutectic-solvent-based plating bath
Project/Area Number |
26420274
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柳井 武志 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (30404239)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 深共晶溶媒 / 磁性材料 / めっき |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの検討を通じて得たFe-Ni(-Co)系の軟磁性材料に対する知見を基に,H28年度は磁気特性改善を目的に検討を進めた。具体的には,パルスめっきの適用,浴温度の変更,添加剤を検討した。パルスめっきは通電中に周期的なOff時間を設ける手法であり,短時間に高電流密度を適用することによる結晶粒の微細化や表面平滑性の改善効果を期待した。On時間や電流密度など様々なパラメータを変更しFe-Ni膜を成膜した。成膜した膜の保磁力を評価したところ,DES(Deep Eutectic Solvent)浴ではパルスめっきによる軟磁気特性改善効果は観測されなかった。比較として,水溶媒のめっき浴にパルスめっきを適用しFe-Ni膜を作製したところ,電流密度の増加により,表面平滑性の改善や軟磁気特性の改善が観測された。XRDパターンを取得したところ,水溶媒から作製した膜では高電流密度の適用により結晶粒径の微細化が観測された。H27年度の研究でDES浴から作製したFe系膜は微細な組織が形成されることを確認している。すなわち,DES浴ではもともと微細な組織が形成されるため,パルスめっき法の適用による結晶粒の微細化による軟磁気特性改善効果が観測されなかったと考えられる。浴温度に関しては,従来用いていた100度から80度程度に低減させると,結晶粒の微細化やアモルファス相が増加する傾向が得られ,表面平滑性が改善したが,軟磁気特性の改善は観測されなかった。添加剤としてアミド硫酸アンモニウムやグリシンを添加したところ,Fe-richなFe-Ni膜にて大幅な保磁力低減効果が観測された。Fe75Ni25付近の組成では約100 A/mの保磁力を示し,水溶媒から作製したFe-Ni膜に匹敵する保磁力値を示した。この値は交換結合を考慮した計算機解析値とほぼ一致しており,微細な構造が構築されたためと考えられる。
|
Research Products
(9 results)