2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of organic semiconductor/inorganic semiconductor heterojunctions and organic semiconductor heterojunctions
Project/Area Number |
26420283
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
松浦 秀治 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60278588)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 有機半導体 / 有機半導体/無機半導体ヘテロ接合 / 有機半導体/有機半導体ヘテロ接合 / 薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、有機薄膜太陽電池、有機EL発光素子、有機薄膜トランジスタに用いられる有機半導体薄膜自体の電気特性を詳細に評価し、これらの素子を改善するために、有機半導体薄膜と単結晶シリコン(Si)とのヘテロ接合を用いて、有機半導体薄膜を詳細に評価することである。 p型有機半導体であるP3HTと4種類のn型単結晶Si(抵抗率:< 0.02 Ω・cm、0.02-0.2 Ω・cm、1-3Ω・cm、5-10 Ω・cm)とのヘテロ接合をスピンコート法により作製した。単結晶Siの抵抗率を4種類用いた理由は、単結晶側のフェルミ準位を4段階で変化でき、それに対するヘテロ接合の電気的特性を評価するためである。 室温での電流-電圧特性を測定した。すべての単結晶Siにおいて、整流性を示した。 次に、ヘテロ接合のインピーダンスの周波数依存性(10 kHzから200 kHz)を測定した。測定データから、各周波数での容量-電圧特性を求めた。参照のために作製したAu/n-Siショットキー障壁ダイオードでは、接合容量の周波数依存性は見られなかった。一方、4種類の抵抗率のSiを用いたP3HT/n-Siヘテロ接合のすべてで接合容量の周波数依存性が見られた。低抵抗率Siとのヘテロ接合の場合、pn接合での空乏層はほとんどP3HT側に広がり、P3HT膜厚による容量が測定される。そして、10 kHz以上ではP3HT薄膜の誘電率に周波数依存性が無いと考えられるので、容量に周波数依存性が見られる原因を検討している。 低抵抗率Siを用いたヘテロ接合で、200 kHzのような高周波数では容量の電圧依存性が見られなかった。一方、抵抗率が1-3Ω・cmと5-10 Ω・cmのSiを用いたヘテロ接合では容量の電圧依存性が見られた。これは、測定している容量がP3HT膜厚とSi側の空乏層幅で決まる容量であるためであると考えられる。
|