2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on diamond SAW with high piezoelectric ScAlN thin film
Project/Area Number |
26420299
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
藤井 知 沖縄工業高等専門学校, 情報通信システム工学科, 教授 (30598933)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ScAlN薄膜 / RFマグネトロンスパッタ / ダイヤモンド / SAW / 電気機械結合係数 / マグネトロン / 位相ノイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
第5世代等の次世代移動体無線通信では、ミリ波及びサブバンドとして3-5GHz帯の周波数の使用が検討されている。本研究では、圧電定数の大きいScxAl1-xN (x>43%)薄膜のSc濃度と物性、結晶構造の明確化、ダイヤモンドSAWのマイクロ波帯での優位性実証を目的として研究を実施した。 初年度では、ロードロック搬送室付マグネトロンスパッタ装置を立上げ、ScAl合金ターゲットを2種類用い、シリコンウエハ(100)面上のScAlN薄膜の形成について詳細に結晶構造等の分析を行った。次年度では前年度の解析結果に基づき、スパッタ時の窒素の導入量を増やすとScAlN薄膜中のScの濃度が下がってしまうことや、結晶性の良い薄膜を得るためには高濃度ScAlN薄膜を(100)面Siに成長させることが難しいことが判明した。そこで、同じ六方晶系であるAlNもしくは低濃度のScAlN薄膜をSi(100)面に数十nm成長させその後高濃度のScAlN薄膜するとその後のC軸配向性が保たれ十分な圧電性を発揮することが判明した。最終年度では、シリコンと同様に、ダイヤモンド基板上にデバイスを作製し結晶性は良好なことを確認したものの、電気機械結合係数が6%以上の値を得てない。十分な検証実験は必要なものの、おそらく、この辺りが限界と思われる。無線通信における通信品質の向上に加え、ダイヤモンドSAW共振子のマイクロ波応用分野における優位性の学術検討を行った。その結果、固定発振器によるマグネトロンの注入同期の検討を行ったところ、出力電力/入力電力 24dB以下で注入同期が発生し、マグネトロンの位相ノイズが格段に向上することが分かった。2.4GHzや5.8GHzにおけるISM帯におけるマグネトロンとSAW共振子の組み合わせにより、500W以上の出力かつ位相ノイズを下げることを見出した。
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Research Products
(4 results)