2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26420327
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
高久 裕之 仙台高等専門学校, 情報ネットワーク工学科, 研究員 (20705016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 克全 仙台高等専門学校, 情報ネットワーク工学科, 准教授 (10361130)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中空ファイバ / 赤外レーザ光 / 先端機能デバイス / レーザ治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
曲げ半径15 mm、曲げ角270°で使用可能な長さ30 cmの高強度中空ファイバ部、Er:YAGレーザ光を低損失に伝送可能な長さ70 cmの低損失中空ファイバ部、高出力なEr:YAGレーザ光を伝送可能な太径(内径0.7 mm)中空ファイバという特性を有する高強度先端部一体型低損失中空ファイバを開発する。 平成26年度は、高強度先端部一体型銀中空ファイバの製作を行った。技術課題は、内径0.7 mmと太径で、曲げ半径15 mm、曲げ角270°で可動できる中空ファイバを製作することである。ガラスキャピラリ母材に、高反射膜の銀膜を成膜した後、中空ファイバの曲げ強度は劣化することが報告されている。劣化の原因は、銀鏡反応時の水溶液によるガラスキャピラリの微小欠陥の成長によるものである。ガラスキャピラリ内面に保護膜を形成すると、強度劣化を防ぐことができると分ったが、保護膜を成膜すると、表面が粗くなり、伝送損失は増加した。そこで、内視鏡治療において、曲げ強度を必要とする赤外伝送路の先端部分30 cmのみを高強度化することで、伝送損失の抑制を図った。高強度用無機保護膜として、ガラスキャピラリとの付着力、耐久性、耐熱性から、OCクリヤー No.300を選択した。高強度用先端部の無機保護膜コーティング技術の開発として、簡易な液相法を用い、送液速度4 cm/min、溶液濃度9 wt%で、約0.1 μmの保護膜を成膜することに成功した。更に銀膜との付着力を改善するために、プライマー膜を成膜した。高強度先端部として、無機保護膜を長さ30 cm程度に成膜したガラスキャピラリ(内径0.7 mm、全長1 m)に銀鏡反応を用いて、銀膜を成膜した。高強度先端部一体型銀中空ファイバの可視~近赤外波長損失特性の測定、曲げ強度試験を行い、曲げ半径15 mm、曲げ角270°で可動できる中空ファイバであることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請では、内視鏡に挿入可能で、Er:YAGレーザ光を低損失に伝送可能な高強度先端部一体型中空ファイバを実現することを目的としている。平成26年度の技術課題は、太い径(内径0.7 mm)のガラスキャピラリ(長さ100 cm)に、無機保護膜をファイバ先端から長さ30 cmまで内装し、その後、全体に銀膜を成膜して、高強度先端部一体型銀中空ファイバを製作を行うための内装保護膜の成膜技術を確立することであり、達成すべき数値レベルは以下の通りである。 1.高強度先端部は、曲げ角270 °、曲げ半径15 mmで使用可能。 2.中空ファイバの内径は0.7 mm、長さは100 cmとする。 ガラスキャピラリとの付着力が強く、耐久性に優れた無機薄膜を選択し、簡易な液相法を用いて、無機保護膜を部分コーティングすることに成功した。また、銀膜の内装工程において、銀鏡反応の前処理工程を導入して、無機保護膜をコーティングした部分の反応時間を早くすることに成功し、低損失な銀中空ファイバを製作することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の計画として、Er:YAGレーザ光の高効率伝送に適した低損失化用光学ポリマー(環状オレフィンポリマー)を成膜することで、高強度部と低損失伝送部を有する高強度先端部一体型中空ファイバの製作を行う。具体的な手段、方法およびその内容は次のとおりである。(1) 低損失化用最適光学膜厚の設計を行う。銀膜との付着力があり、均一な成膜ができ、最適膜厚の成膜ができる高反射膜として、環状オレフィンポリマー(COP)を用い、Er:YAGレーザ光並びに可視パイロット光の同時伝送に最適な光学膜の設計を行う。(2) 低損失化用光学膜コーティング技術の開発を行う。Er:YAGレーザ光並びに可視パイロット光の同時伝送に最適な光学膜の最適膜厚の一様成膜技術を確立する。
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